2016年07月15日

アンドリュー・ワイエス水彩・素描展

現在国内外のプロジェクトが同時進行していて、
先月より早朝から日暮れまで現場仕事で汗して、
夜は計画図面等、充実した日々を過ごさせて頂いている。

独立して16周年の今日は、久しぶりに現場を離れて、
アンドリュー・ワイエス水彩・素描展へ出掛けてきた。

ワイエスは、子供の頃から黒人居住区に住む家族と身近に接して、
アメリカの底辺を支える、慎ましくも逞しく生きる移民の彼らに
人間としての尊厳を感じていた。

1468582127.jpgオルソン・ハウスでの
人の普遍的な営みや息づく風景、
何気ない対象物への感受性と質感は、

工業製品をまとった
模造品の街並みに暮らす僕の胸に

失われた温もりを感じる風景を取り戻したい欲求とともに
強烈な美の輝きとしてよみがえる。

感動した風景の記憶を本質的なものだけにそぎ落として、
色調を抑えた茶色や灰色や余白の白を基調に

細部のテクスチャーと独創的な構図で表現された習作コレクションは、
日本の美意識にも通じる余白の魅力と精神性があった。

描かないことで見る人に本質を意識させ、
音のない部分にこそ意味がある音楽のようでもある。

青や赤や黄色を効果的に使う色遣いは
僕の好きなライトの建築と共通する。

アメリカの大自然を愛したお二人の共通点なのだろうか。

ワイエスは油絵の重たい感じは性に合わないという。
バッハとシベリウスがお好きだったワイエス。

観覧の後、お出し下さった
メイン州に因んだブルーベリーの味は、
今日の良き日の思い出となった。

バッハの無伴奏とともに。


司建築工房

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posted by Koji at 21:39 | TrackBack(0) | アート