2016年12月25日

クリスマスの音楽に招待

20世紀人類は、兵器開発に天文学的予算を投入し、
戦場は最新科学の実験場となり、
戦争が科学を飛躍的に進歩させてきた。

21世紀その際限なき人類の欲望は留まることを知らず、
ますます科学が戦争の悲劇を拡大してゆく。

昨今、世の中はグローバルネットワークの時代に逆行して
外国人を排斥する風潮が増してきている。

でも人類に必要なのは、人の気持ちの温かみであり、
自分と違う考えを理解する寛容だ。

それは普段の生活でも建築の仕事でも同じ
普遍的な考えであると僕は想っている。

さて、この度クリスマスコンサートに招待する企画に
チェロで参加させて頂きました。

自分のつたない演奏でも皆とのアンサンブルで
音楽を届けることができたなら素敵なことだ。

ヴィヴァルディの四季「冬」は、ソロに合わせて
みんなが平和で幸せな日々でありますように
想いをチェロの響きに込めました。

最後に皆でサイレントナイトを合奏したんだけど、
宗教の枠を超えてみんなが団欒の夜を過ごせますように。

この素敵な機会を通して色んな方と歓談できたことが、
僕にとっての最高のクリスマスプレゼントなのでした。


司建築工房

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posted by Koji at 20:55 | TrackBack(0) | 音楽

2016年12月16日

阿蘇現地視察

この度の熊本地震でお亡くなりになられた方々、
そのご遺族の皆様に対し謹んでお悔やみ申し上げますとともに
被災された皆様方に心よりお見舞い申し上げます。

今回被災されたお施主様の住宅再建のために
現地視察に訪れました。

解体は市の公費解体を利用し、
現在仮設住宅にお住まいです。

洗濯機が外なのが不便ですが、
建替えの話ができることは希望です。

1481872109.jpgまず肥後一の宮の阿蘇神社にご挨拶。

紀元前創建の歴史ある神社は、
重要文化財の桜門や拝殿の倒壊した姿は痛々しかった。


地元の方は神社が犠牲になって自分たちをお守り下さったと。
身代わりになられた神様に心ばかりの奉賛をさせて頂き、
阿蘇の復興の象徴となる事を望みます。

現在解体のための足場が架かり、
使える木材はすべて丁寧に解体され再興されます。
ちなみに再建には10年20億かかるという。

さて、阿蘇市の大動脈国道57号線と
それに並行して走るJR豊肥線は土砂崩れで、

依然として復旧の目途が立っておらず、
遠回りの迂回路で渋滞が余儀なくされている。

1000回以上続いた余震がようやく落ち着いて
屋根等の修理依頼が殺到。

補助金が出るのだけど、期限が当初12月に切られ、
とてもこなせる数ではなく来年3月まで延期になったが、
それでも職人が足りず復旧は進まず、無期限になるのだとか。

こんな状況の中県外から悪徳業者がやってきて、
半日の日当が3万5千だと言って、しかたなく頼んだら
大学生のアルバイトを連れてくる始末。

困っている人を食い物にする輩が多いのだとか。

1481872082.jpg僕は信頼のできる工務店の方を
紹介してもらえて、
お施主さんとの顔つなぎもできた。

お施主さんに車で案内して頂くと、
常に山の頂きが平らな山並みがぐるっと
街を取り囲んでいる風景がある。


1481872140.jpgこの外輪山が取り囲む
巨大な円形広場のような阿蘇の街は、
広大な阿蘇カルデラそのもので、

火山噴出物が大量に噴出して、
地下のマグマだまりに空洞ができ、
地面が陥没したクレーターらしい。

火砕流や溶岩の大地に水が溜まり、
湖だった時代もある聖地のような場所だ。

1481872056.jpgその昔、阿蘇の街を取り囲む
外輪山が裾野の巨大な山が噴火して、
噴出物が長崎や佐賀まで飛び散った。

つまり阿蘇の山の噴火で
九州ができたくらいの
巨大な山の噴火だったという。

阿蘇は多孔質な岩石の地質から
ミネラル豊富な伏流水に恵まれ、
1500以上もの湧泉が分布している。

お施主さんの敷地もこの伏流水の恩恵を受けており、
被災しても水には不自由しなかったそうだ。

僕が泊まった民宿も蛇口からはすべて阿蘇の天然水だった。
伏流水で育まれた産地の食材は美味でした。

これから阿蘇地方の復興の一助となるように
取り組んでいきたいと思います。

負けんばい、熊本!


司建築工房

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posted by Koji at 16:05 | TrackBack(0) | 現場

2016年12月06日

casa grotta HP UP

久しぶりに完成後写真撮影ができましたので、
ホームページにアップしました。

これはシューズボックス型の3階建ての住居の内部を
全面改装したものです。

1480928986.jpg白いビニールクロスと既製品のドアがついた
物件だったけれど、

洞窟状の空間は、
やりようによっては魅力的なものになる。

壁を取り去り、照明・LANのハブ構築、
電磁波対策をしながら、

1480928745.jpg床はすべてリノリウム。
1階の壁・天井は桐、2階はレッドシダー。
ストーブ廻りは煉瓦。

レッドシダーは家具もすべて材木から挽いてもらい、
大工さんと一緒にプレーナー掛け、面取りをして
愛着をかけた材料だ。

この空間に山の精、山のスピリットを注ぎ、
樹の洞窟にしようというのが、そもそもの発想だった。

1480928891.jpgお施主さんの生活スタイルを
自らの文法で家具や内部造作を形にした。

この空間に薪ストーブを設置したのも
僕の提案なんだけど、

古代より家は母親の子宮を象っていて、
家の中にはかまどがあった。

1480929027.jpgローマ時代、洞窟は大地を母と敬う信仰から生まれ、
洞窟を母の胎内、命の源と見立てた。

ルネサンス時代、人々はキリスト教以前の時代は
おおらかで豊かだったのではないかと
古代の理想を探し始める。

ローマ時代のネロ皇帝の住居跡を掘ってみたら、
グロテスクの語源となった
グロッタ模様の世界が広がっていた。

1480928460.jpgルネサンスで人間解放が謳われてから
王侯貴族は競って、
古代の理想グロッタを作った。

ロシアのピョートル大帝も早速流行を取り入れ、
宮殿に自分の息抜きのための
秘密の場所を作らせた。

ペテルゴフのゴロッタはほぼ完全な形で残っている。

1480928502.jpg19世紀までは建築を作る時、
人は自然信仰の力を借りた。

自然を肯定し、人間も自然の一部であるという
グロッタの精神で作り上げた内部空間は
僕の仕事の魂です。

大地と繋がり、原始的な力を持つ素材たちが、
人の心を揺り動かす建築。

1480929745.jpgこの安らぎに満ちた
静謐なハーモニー、

自然と建築と人間が
融合した暮らしの中で

新しい喜びを
日々発見していくことを願って。

敬白。

司建築工房

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posted by Koji at 12:57 | TrackBack(0) | 現場