2017年07月30日

夏のレスタウロ2

猛暑の現場での日々が続きます。
お施主さんが差入れして下さるお気持ちが嬉しい。

床の養生貼りは僕の仕事なんだけど、
複雑な床形状をロール状の養生シートから象っていき、
すべての床を網羅した時には密かな充実感を味わう。

職人さんに最高のパーフォーマンスを発揮してもらうための
凛とした空気感が僕の現場の特徴だ。

その日に出た廃材は速やかに片付けて搬出し、
掃除をして明日の仕事場を作る。

そんな大工さんとの工程が完了しました。

振り返ると、ここで使われた材料たちは、
僕が面取りをして送り出した。

作り手の想いが材料たちに伝わり、
誠実な職人さんの手で作られた建築に住む人は幸せです。

tucasa 272_R.JPG一旦養生シートを撤去して、
僕の好きなマーモリウム張り。

巾2mの重たい材料を折らずに扱い、
広い部分から攻めて、

複雑な壁際をコンパスと空間認識力で
納めていく精度は、養生貼りの比ではない。

複雑な箇所は包装紙を型紙にして、
定規と罫書き道具を駆使して写し取り、
床材にカッターを入れていく。

その時、下の仕上がった床材にカッターの刃を
到達させずに切っていくのは熟練の技だ。

カットしたものを床にあて、
ピタッと合った瞬間は感動的ですらある。

仕上がったマームリウムを眺めるのも束の間、
二度目の養生シート貼りでさらに凛とした現場に
職人たちを迎える準備をする。

既に仕上げ材料の手配、特注和紙や
光壁の製作依頼等済ませてある。

tucasa 284_R.JPG建具屋さんとオリジナルで製作する
手掛や取手の材質・寸法も決め、

打合せに寄った際、工房では
僕の現場のエアコンガラリを製作中でした。

ガス屋さんに一旦開栓してもらい、
ボイラー・追炊き・浴暖・床暖の試運転をし、
正常に作動することを確認した。

tucasa 290_R.JPG水道屋さんに硬い壁材への穴あけ、
リモコン・シャワーの取付、

左官屋さんに浴槽廻りのタイル張り、目地込み、
排水目皿の中の最終勾配を造形してもらった。

職人さんは僕と一緒に施工することを喜んでくれる。

tucasa 306_R.JPG
何より、タイル割・材料の配置・カット寸法・目地巾等
僕が決定するので迷いがない。

来週から塗装→壁の石張り→建具取付
→内装張り→電気仕上げ、と
お盆前までに現場は彩りを添えていく。

最近テレビで世界中のパラリンピックの
アスリートを眼にする。
彼らには生きることの輝きと可能性を見出せる魅力がある。

予算の制約の中で、可能性を追求する建築人生もまた
日々の生活に輝きを添える。



司建築工房

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posted by Koji at 19:49 | TrackBack(0) | 現場

2017年07月20日

夏のレスタウロ

イタリアでは歴史的な建物を修復しながら、
現代のセンスを生かして、内部空間をデザインし直すことが
建築家にとって重要な仕事になっているけれど、

僕が今やっているプロジェクトも
既存の建築的な特徴を生かしながら

tucasa 159_R.JPGお施主さんの夢や理想、ニーズに合わせて
機能と共に再生していく、まさにレスタウロだ。

今回は初めて仕事をする西尾の大工さんと
猛暑の名古屋で魅力ある空間を造形してきた。

今回のデザインの特徴は、ブローバスとシャワーが
リビングという広場に面していて、
壁で囲わず連続する。

tucasa205_R.JPG床の排水勾配だけは
豊橋の左官屋さんに来てもらった。

防水屋さんは今回初めての業者さんに
頼んだのだけれど、

今までで一番丁寧な仕事をされる職人で
ラッキーでした。

いい職人に出会える事は宝です。

tucasa 219_R.JPG浴槽との取合いは
水返しの形状を大工さんが作り、

それを一旦外して
防水屋さんが防水施工を施し、
乾いて再び浴槽の内側に
セットするという連携を取った。

その後、浴槽廻りの形状通り、防水層で一体にしていく。

防水屋さんが左官屋さんの仕事を
今まで見た中で一番上手いと言ってくれて嬉しかった。

左官屋さんに電話で伝えたら
「努力していたら、いい職人が来てくれるんですよ!」と云った。

tucasa 248_R.JPGさて、自然の素材は人間の感性や身体に語りかける
独特の存在感があるけれど、

浴槽空間の壁には1m×3mの
大型の陶板を切り出して張った。

水墨画のにじみ、ぼかしの技法は
味わいのある質感で、

目地のない壁1枚の陶板は
なかなか人の心に訴えかけるものがある。

tucasa 251_R.JPGしかも表面の光触媒の作用が
光と水の力で空気を浄化し、

セルフクリーニングの機能や
抗ウイルス・抗菌効果を発揮する。


先進的な意匠性と機能性は
さすが世界のデザインを牽引するイタリアだ。

梅雨が明けて本格的な猛暑の夏、
これから日本の伝統技法の素材と
抑制を利かせた日本の色彩で

お施主さんのために洗練された舞台作りに邁進します。


司建築工房

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posted by Koji at 22:45 | TrackBack(0) | 現場

2017年07月15日

大相撲名古屋場所2017

子供の頃から、夕刻の日本の茶の間の原風景とも云える
大相撲をテレビで目にしてきたけれど、

先日お誘いを受けて、
初めて大相撲名古屋場所へ足を運んで、

表舞台を陰で支える裏方の方々の振る舞いを含め、
日本の伝統文化の息吹を堪能して参りました。

受付では益荒雄親方がお出迎え。

当日券が朝の6時半に完売と伝えられて、
連日横綱の土俵入りの後、満員御礼の垂れ幕が下がる。

tucasa 059_R.JPG一通り会場を散策して、
座席の単管足場の組み方や

向正面の力士の花道、
土俵も色んな方向から眺めてみる。


呼出しの独特の節回し、行司の衣装や所作、
力士は力水を口に含み、土俵に塩を撒く。

呼出しの方々が土俵造りも担当されるそうで、
場所ごとに土も変わる。

tucasa 053_R.JPGこの高さが最も怪我をしないんだという、
60pの高さの土俵の壁のひび割れが
良き景色になっていた。

取組を土俵下で待つ力士の座布団は、
格によって様変わりする。

付け人から座布団を受け取って、
前の力士の座布団と交換するのも呼出しの役目だ。

tucasa 052_R.JPG僕らは、幕下の前から
会場入りしたのだけれど、

力士の廻しは絹ではなくおそらく木綿で、
擦り切れている力士もみえました。

廻しは洗わず干すだけだと聞いた。

十両になると、化粧廻しをして土俵入りもあり、
廻しはカラフルになる。

tucasa 072_R.JPG行司も階級があり、幕下以下は
膝下を出した裸足で、木綿の装束だけれど、

十両になると白い足袋を履いて、
夏は麻の装束に身を包む。

三役になると草履を履いて、印籠を携える。
そして最高位の立行司のみ短刀を携え、これは
軍配の差し違えの際は切腹の覚悟を示すものだそうだ。

華やかな装束は室町時代の武士の装束に由来するという。

観覧席は正面の素晴らしいお席で、
力士たちが声を掛けたくなるほど間近だった。

tucasa 133_R.JPGこの日は奇しくも僕の席の目線の先、
向正面には将棋の藤井くんが観戦していた。

まさに土俵を挟んで藤井くんと差しだ。

会場を出ると、テレビで観戦していた母が
テレビに写ってたよ〜とメールをくれた。

着物と帯と草履で夏の装いを身に纏って出掛けたハレの日は、
放送終了間際に映し出された映像と共に
良き思い出となりました。

tucasa_ryoufuutchakai_0715_R.jpg独立して12周年に
涼風茶会を催してから5年が経つ。

この5年で色んな経験をして、世界が拡がった。
17周年に感謝。



司建築工房

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posted by Koji at 22:32 | TrackBack(0) | 交流