2017年08月11日

夏のレスタウロ3

お盆前の現場より。

木部に自然の着色塗装をし、スイッチ・照明器具を取付け、
特注で製作した和紙2種類を張りました。

tucasa 346_R.JPG浴槽部分の壁に張った陶板と
相性の良い壁にしたくて、

茶の湯で建水や花入などに砂張という
鉛と錫に少量の銀を入れた色を目指して、

楮の太い繊維を混ぜながら、
水墨画のにじみとぼかしや
濃淡の技法で製作した紙です。

一日現場にいると、光の移ろいで
色や表情が多様に変化し、
様々な色の光を投影します。

tucasa 359_R.JPGもうひとつは、水を張った容器に墨を落とし、
細い竹で水面を動かし、

扇子で風を起こした模様の水面から、
和紙をそっと被せて写し取ります。

フィレンツェのマーブル紙が有名ですが、
墨流しという日本古来の技法で、

川の水面に墨を落として、
流れによって生まれる模様の変容を楽しんだ
9世紀頃の宮廷遊びが起源です。

今回は人にとって大切な五行の要素がすべて入っており、
とりわけ水の表現がテーマのカギとなっています。

tucasa 382_R.JPGそして今、内部空間のコーナーに
邪気を祓うような
力強い自然石を張っています。

シダ植物の化石も混ざったギリシャの石は
職人さんと一つひとつ洗いました。

大中のポイントとなる景石のリズムは
おおかた予定しておいて、
単調にならないようにひと手間ずつ積み上げていく。

tucasa 384_R.JPG機械の道具では切り口が
石の素材感を殺してしまうから使いたくない。

石の目を見、石と対話し、想いを巡らしながら
ノミと石頭(せっとう)、ビシャン、
刃トンボで叩く。

石の彫刻の歴史は3万年前の旧石器時代後期まで遡り、
古代エジプト、ギリシャには紀元前の傑作が数多く存在するけれど、

道具はその頃とほとんど変わっていない。

tucasa 397_R.JPG呼吸のように淡々と
内部空間にひとつの景色が
ゆっくり生み出されていく。。。

機械の音がしない、
石を叩く音だけが響く現場の

サウンドスケープは
そばにいて心地よい。


司建築工房

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posted by Koji at 23:23 | TrackBack(0) | 現場