2018年11月24日

レディース鍼灸院のレスタウロ 2

季節は小雪。

今年の2月から週に二日、院長先生と現場で自作奮闘して、
共に季節を共有してきた。

tucasa_gou_1836_R.JPG僕のアイデアを受け止めて、
すぐに形にしようと挑む姿勢に頭が下がる。

その過程にこそ
建築の醍醐味があるのだけれど、

たぶん国内では例のないものを生み出そうとしている自負がある。

鍼灸の神髄は、自然界の法則と同じ身体の調和だろう。

鍼灸院は健康になるべく訪れる場所で、
加えて不妊治療など女性や小児を専門とした鍼灸院だから
デザインにはそうした自然界のダイナミズムが表現されている。

tucasa_gou_1838_R.JPGこれまで欧米を旅してきて、どんな天才であろうと
他者や異文化からの影響を
何らかの形で受けていることを確信した。

先人たちのデザインに潜む知力の高さ、
マクロの視点とミクロに至る建築への情熱は、
以前のブログで書いた。

今年の夏には縄文展があって、
穏やかな均衡ではない、

視線の移動につれて、リズミカルに割り付けられながらも
奔放に躍動する不協和のバランス感覚に僕は心を動かされた。

tucasa_gou_1831_R.JPG幾何学的な調和とは違い、安定のない狩猟民族の
飢えと歓喜が共存する動的な空間感覚。

獲物や自然の恵みへの感謝や畏敬の心性は、
我々にも受け継がれているけれど、

生き抜くための造形には、
超自然的な意思や呪術的な意味があって、

ピカソやブラックが心を動かされて虜になった、
アフリカンアートにも共通した美意識がある。

古代ギリシャ以来のシンメトリーやリアリズムではなく、
ましてや見る人を意識した芸術の次元でもない、
生存の厳粛な営み、生きる糧としての凄まじい精神性に感じ入った。

tucasa_gou_1817_R.JPGこうして日進月歩、独自の視点と
自身の文化の理解が深まり、
デザインが導き出されてゆく。

現場では食品衛生法にも適合した
安全な原料の自然塗料で壁も天井も塗ったから、

塗りたてでも嫌な臭いがいっさいない。
何より、塗る作業に不快感が全くない。

tucasa_gou_1832_R.JPG今日建具の吊り込みをした。

建具は建具屋さんに製作してもらったのだけれど、
このような建具は初めて作ったと感動してくれた。

世界に一つだけの建具。

これから粘土系の自然塗料で床に彩色する。
縄文人が漆と顔料でしたように。

エントランスの土間には幾何学紋様を描いた。

一つひとつの形を象って、石を切り出していけば、
自作の苦労の先に、きっと良き思い出と共に
訪れる患者さんの心を動かし得る、永遠の宝物になると確信している。


司建築工房

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posted by Koji at 18:03 | TrackBack(0) | 現場