2017年02月14日

厳寒の候を楽しむ

家事というものは行く河の流れのごとく
絶え間なく続き、渋滞氾濫を招かないように
片付けることが日々の生活というものだ。

そして衣食住には自分の流儀があり、
毎日を綺麗に暮らす。

おしゃれはこういうところから生まれてくる。

ひとはどんな境遇にあっても文化を求め、
一時でもいいからのびやかな時間を持ちたいものだ。

袴というものは年に何度も着るものではないけれど、
必要な時にさっと袴を着られるようになってきた。

礼装である羽織を羽織って、
桂春団治が羽織紐をすっと解き、袖口をつまんで
はらっと脱ぐしぐさをマネる。

再び羽織紐を結んで、踵を出して草履で帰る楽しさ。

僕の日々の根っこになっている楽しみがある。
それは季節感を味わうお茶事だ。

初釜では正客を務めさせて頂いて、
年に一度の縁高重の扱いもようやく覚えた。

亭主直々のお点前によるお濃茶の絶妙な湯相の
お服加減、亭主のおもてなしの貴いお心と格別の福引は、
僕の日々の暮らしに平穏をもたらしてくれている。

早いもので如月。
厳寒の候、お茶の冷めにくい筒茶碗にての一服、
真形(シンナリ)釜のお茶事だった。

名古屋の釜師、十一代加藤忠三朗さんの紅い真形釜と
本人直筆のお掛け軸の取り合わせ。

お茶事を催すには一通りのお道具がなくてはやれないけれど、
お釜がなくては話にならない。

季節ごとに拝見に出されるお道具が脚光を浴びるけど、
お釜はお客のお迎えからお見送りまで、実はお茶事を支える
根っこのような存在だ。

お釜はお茶の魂である。

ちなみに僕のおふくろの故郷、福岡県遠賀郡芦屋町は
真形釜の名作が多く残り、釜師や鋳物師が古くから活躍していた。

凛とした空気の茶室で、湯の沸く松風の音色。
お片付けに水指から水を掬って注ぐ水の音は
なんとも風情である。

奇しくもバレンタインデーの日に当たり、
亭主がこの日限定のチョコレートを使った和菓子を
お取り寄せ下さり、

バレンタインのお茶事さながらの趣向も加えられ、
桜色のお着物で春の兆しをおもてなしされる。

茶巾等筒茶碗のお点前は、
絶妙な湯相のほっこりする一服なのでした。

月に一度の着物で出掛けるお茶事の日は、
僕にとって特別な一日になっている。


司建築工房

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 大地の樹木 本物の素材 火のある生活



posted by Koji at 20:00 | TrackBack(0) | お茶
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