2017年10月05日

チョイ住み in Firenze 2

ブラマンテと云えば、ヴァチカンのサン・ピエトロ大聖堂。

単純なギリシャ十字に幾何学形態が立体的に繋がり、
壮大な正半球のドームに導かれるブラマンテの計画案に

構造的なプラン修正を行い、実現に漕ぎ着けたミケランジェロ。
ドームの外観は自重に耐える紡錘形になったけれど、
内部は正半球の天井が実現されている。

近代の鉄骨やプレストレスト・コンクリートがない時代に
石と煉瓦と木で理想の形態、プロポーションを
現実的に可能な構造として実現させた苦労たるや、

荘厳な装飾や天井画と共に、
建築に携わった先人たちの苦労の結集を
首が痛くなるまで天井を眺めるのでした。

tucasa_firenze_ 535_R.JPGそれは古代ローマの先人たちが造ったパンテオンも
そしてブルネレスキが実現させた

S・M・デル・フィオーレ大聖堂の
八角形の煉瓦製ドームもだ。

ここでようやくフィレンツェに戻ったけれど、
街路から、また窓から見えたりすると

絵になるオレンジ色のドームは、
後世の人々に残した素晴らしい遺産だ。

ブルネレスキは現場の監理、職人や道具のことまで関わった人で、
規模は違うけれど、僕も現場監督をして工事を請け負うので、
親しみの湧く尊敬する人物だ。

tucasa_firenze_ 897_R.JPGブルネレスキが設計したサン・ロレンツォ教会や
サンタ・クローチェ教会パッツィ家礼拝堂、

設計者と現場監督の立場で建築を味わうほどに
大変な熱意と苦労を感じ入る。

街で見かける足場のある工事現場は、
新築はなく全て外装の補修か内部の改装だ。

古い建物のレスタウロで上手く再生させた店舗など
いくつも魅力的な都市デザインを見てきた。

外観だけ残しただけではただの景色で、そこに人々が生き生きと
必要な用途で使って働いているからこそ、街並みが美しくなる。

古いというだけで人は惹かれるのではなく、
レスタウロして今の時代において魅力を感じるからだ。

フィレンツェに来たらやはりどうしても会いたくなる美術品がいくつもある。

tucasa_firenze_ 418_R.JPG木の梁と小屋組が親しみを感じる
静謐なサン・マルコ修道院。

真っ先に階段を目指して、
踊り場に出た時正面に見上げる
フラ・アンジェリコの「受胎告知」。

クリスチャンでなくても
不思議な安堵感の中で、瞑想するようだ。
宗教的モチーフの題材だけど、透視図画法はルネサンスを感じる。

小食堂(ブックショップ)の壁一面に描かれた
ギルランダイオの「最後の晩餐」のフレスコ画は、

この部屋のヴォールト天井に合わせて、天井を透視図画法で描き、
窓も延長して描いて、窓からの光も部屋と同化して描かれている。

ローマのところで触れなかったけれど、
ミケランジェロのシスティナ礼拝堂の天井画のような、

絵の一部が建築の延長のように錯覚させる見事さを感じた。

フレスコ画は漆喰を塗って、
濡れているうちに下絵から陰影などの細部まで
描ききってしまわなくてはいけない。

システィナ礼拝堂では、大きな面積を継ぎ目も感じさせず、
天井も壁も良く描かれている。
カーテンの表現なんて、最初絵だとは気づかなかった。

ギルランダイオは、若き日のミケランジェロが師事した師匠だ。

つづく。

司建築工房

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 大地の樹木 本物の素材 火のある生活









posted by Koji at 18:58 | TrackBack(0) | 建築ツアー
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