2017年09月29日

チョイ住み in Rome 3

ルネサンスの広場と云えば、
ピエンツァのピウス2世広場や

ルネサンスの理想都市のアイデアの集大成とも云える
ミケランジェロが設計したカンピドリオ広場がある。

祭壇画と時期は被るけれど、
文化レベルの高いパウルス3世の理解のもと、
円熟期のミケランジェロが才能を遺憾無く発揮できた。

カンピドリオの丘は、古代ローマ時代には神殿が作られ、
ローマ市民にとっては町の起源を意味する象徴的な丘だ。

tucasa_rome_ 035_R.JPG広場の隅の円柱上には、ローマ建国神話の
カピトリーノの雌狼像がある。

ミケランジェロは、この丘の両サイドに
中世から建っていた既存建物の条件を活かして、
逆台形の広場にした。

広場を囲む建物に
様式、材料、色に統一性を与えて、
広場の中央を楕円形にしかも階段状に掘り下げた。

この高低差が空間を魅力的にして、
より中心性と親密感を高める効果があると思われる。

床の舗装には地球儀のような幾何学模様を描いた。

室内の絨毯のように美しい模様で舗装するのは
ルネサンス以降の特徴だ。

その中心には五賢帝最後の
マルクス・アウレリウスの騎馬像が設置されている。

ここがローマの中心、世界の中心ということを
象徴的に表現したのだろう。

これも自身では完成を見ていないけれど、
空間の軸線、シンメトリー、透視図的効果を重要視した
ブラマンテと同じ意図が窺える。

tucasa_rome_ 199_R.JPG保存修復の起源はルネサンスに遡れるけれど、

ミケランジェロがディオクレティアヌス帝の
4世紀初頭の浴場跡の大浴場部分を

S・M・デッリ・アンジェリ教会に
レスタウロしている。

当時の一大娯楽施設の壮大さを想像できるものだ。

地下には湯を焚く施設や床暖房設備が完備し、
トイレは常に水が流れる清潔なもので、

ポルティコで囲まれた中庭には草花が植えられ、
ギリシャ彫刻が置かれ、サウナやプール、フィットネス、
図書館、レストランや美容室もあった。

裕福な貴族たちは仕事は午前中だけで、
昼からは娯楽を楽しみ、浴場で垢を落し、

労働や家事は奴隷たちがしていたから
さぞ贅沢な暮らしぶりだったと想像する。

テルミニ駅前に広がる共和国広場を縁取る半円形の建物も
元は浴場の壁面だったから、かなりの巨大浴場だったことが想像される。

tucasa_rome_ 155_R.JPG今回は精力的にローマの街を歩いた。

毎朝カンポ・デ・フィオーリ広場の朝市で
果物と野菜と生ハムを買って、

バターをはじめ乳製品も新鮮で
美味しくてしかも安い。


中世の街並みは、建物の外壁面が様々な幅や形の街路と
色んな形の広場を形成して、変化に富んで、

街中には噴水がたくさんあって、
古代ローマの遺跡が目の前に現れる。

ローマは元々沼地で、水は確保できたんだけど、
人口の増加と市民に良質な水を供給するために
何十キロも先から11本の水道を引っ張った。

そのうちの1本ヴィルゴ水道が、アックア・ヴェルジネ水道として
引き継ぎ、紀元前からの水を今だに供給している。

街路にふと現れる水飲み場からは、カルキの入っていない良質な水が、
24時間、365日噴出し続けている。

七つの教会に向う道路に軸線を与え整備し、
教会のそばにはランドマークとなるオベリスクを置き、

広場や要所には噴水の湧き出る泉を設置するという
シクストゥス5世の都市改造計画案をもとに
以後の教皇たちがバロックの街の景観を作っていった。

つづく。


司建築工房

♪・・・・・・・・・・・・・・・・・・♪
 大地の樹木 本物の素材 火のある生活


posted by Koji at 09:07 | TrackBack(0) | 建築ツアー
この記事へのトラックバックURL
http://blog.sakura.ne.jp/tb/182322843

この記事へのトラックバック