2018年05月05日

レディース鍼灸院のレスタウロ

tucasa_casa_8269_R.JPG桜に続きハナミズキの花も終わり、
緑が際立って美しく感じられる立夏。

新たな鍼灸院づくりで、
施工の段取りと墨だしとともに、
工具を手にして

鍼灸院の院長先生と一緒に施工することを許され、
その楽しさを共有させてもらている。

大工道具や重機を揃えて、
何でも自分で手掛ける院長先生の姿勢に
狩猟時代の人間の輝きを垣間見る気がする。

tucasa_gou_ 197_R.JPG科学の進歩の恩恵と引換えに、様々な
しがらみに縛られている現代だからこそ、

好きなことに没頭するかけがえのない時間は
何ものにも代え難い。

既存のそば屋の内部を解体して、
既存の住設や電気配線の撤去、水道管の改変、

腐った土台の取り替えや不十分な断熱施工の補充から
床組み、壁起こし、天井下地と骨格が見えてきた。

自分が引いた設計図を現場で現寸法に描き写し、
施工していくと目の前に実在が姿を現す、、、
そんな密かな喜びを味わっている。

tucasa_gou_8208_R.JPGここは女性と子供のための鍼灸院だから、
やさしく癒される空間であるために
木をふんだんに使い、

長方形の既存空間に
三角形グリッドを導入することで

原始的な包容感を与え、
天井の高低差が空間の親密感を増す。

地続きのヨーロッパは、
歴史と地勢の異なる文化の共振が生まれ、
無数のバリエーションが存在するけれど、

ヘレニズムとヘブライズムとともに
ローマ文化を基盤としながら

多様な民族的起源が息づいた
ロマネスク文化の重層性に
魅力を感じてきた。

福岡県にある古墳時代の石室壁画に三角形の彩色文様があって、
直線と三角形を組み合わせた文様が、まさに今回のグリッドで、
この建築の室内の秩序となる。

異質なものの融合は、
日本が殆ど持つことができなかった感覚のように思われる。

tucasa_gou_8361_R.JPG今回初めての試みも二つ提案していて、
一つは、ビザンチン芸術の
円から始まる交点を結んで、

三角文様グリッドを導き、
そこから自由な幾何学模様を生み出した。

幾何学パネルを26枚刳り貫き加工して、
木の壁と一体になった
窓からの光の変容を生み出そうというもの。

その文様に子供たちが色んな想像力を働かせてくれることを
今から楽しみにしている。

三角形が根底のテーマとして流れ、
空間に様々な三角形がアクセントとして現れる。

手間は掛かるけれど、手間を積み重ねた先に
歓喜が訪れるはずだ。

tucasa_casa_8365_R.JPG追伸:GWは、自宅の木の簀子の組子
41本を全部新しいものに換えて、

木の風呂桶や木の風呂蓋も磨いて、
自然の風合いを損ねない撥水塗装を施した。

木の箸で確信を得て、
今度は簀子でも実験を兼ねて。


司建築工房

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 大地の樹木 本物の素材 火のある生活


posted by Koji at 13:45 | TrackBack(0) | 現場
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