2017年08月11日

夏のレスタウロ3

お盆前の現場より。

木部に自然の着色塗装をし、スイッチ・照明器具を取付け、
特注で製作した和紙2種類を張りました。

tucasa 346_R.JPG浴槽部分の壁に張った陶板と
相性の良い壁にしたくて、

茶の湯で建水や花入などに砂張という
鉛と錫に少量の銀を入れた色を目指して、

楮の太い繊維を混ぜながら、
水墨画のにじみとぼかしや
濃淡の技法で製作した紙です。

一日現場にいると、光の移ろいで
色や表情が多様に変化し、
様々な色の光を投影します。

tucasa 359_R.JPGもうひとつは、水を張った容器に墨を落とし、
細い竹で水面を動かし、

扇子で風を起こした模様の水面から、
和紙をそっと被せて写し取ります。

フィレンツェのマーブル紙が有名ですが、
墨流しという日本古来の技法で、

川の水面に墨を落として、
流れによって生まれる模様の変容を楽しんだ
9世紀頃の宮廷遊びが起源です。

今回は人にとって大切な五行の要素がすべて入っており、
とりわけ水の表現がテーマのカギとなっています。

tucasa 382_R.JPGそして今、内部空間のコーナーに
邪気を祓うような
力強い自然石を張っています。

シダ植物の化石も混ざったギリシャの石は
職人さんと一つひとつ洗いました。

大中のポイントとなる景石のリズムは
おおかた予定しておいて、
単調にならないようにひと手間ずつ積み上げていく。

tucasa 384_R.JPG機械の道具では切り口が
石の素材感を殺してしまうから使いたくない。

石の目を見、石と対話し、想いを巡らしながら
ノミと石頭(せっとう)、ビシャン、
刃トンボで叩く。

石の彫刻の歴史は3万年前の旧石器時代後期まで遡り、
古代エジプト、ギリシャには紀元前の傑作が数多く存在するけれど、

道具はその頃とほとんど変わっていない。

tucasa 397_R.JPG呼吸のように淡々と
内部空間にひとつの景色が
ゆっくり生み出されていく。。。

機械の音がしない、
石を叩く音だけが響く現場の

サウンドスケープは
そばにいて心地よい。


司建築工房

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2017年07月30日

夏のレスタウロ2

猛暑の現場での日々が続きます。
お施主さんが差入れして下さるお気持ちが嬉しい。

床の養生貼りは僕の仕事なんだけど、
複雑な床形状をロール状の養生シートから象っていき、
すべての床を網羅した時には密かな充実感を味わう。

職人さんに最高のパーフォーマンスを発揮してもらうための
凛とした空気感が僕の現場の特徴だ。

その日に出た廃材は速やかに片付けて搬出し、
掃除をして明日の仕事場を作る。

そんな大工さんとの工程が完了しました。

振り返ると、ここで使われた材料たちは、
僕が面取りをして送り出した。

作り手の想いが材料たちに伝わり、
誠実な職人さんの手で作られた建築に住む人は幸せです。

tucasa 272_R.JPG一旦養生シートを撤去して、
僕の好きなマーモリウム張り。

巾2mの重たい材料を折らずに扱い、
広い部分から攻めて、

複雑な壁際をコンパスと空間認識力で
納めていく精度は、養生貼りの比ではない。

複雑な箇所は包装紙を型紙にして、
定規と罫書き道具を駆使して写し取り、
床材にカッターを入れていく。

その時、下の仕上がった床材にカッターの刃を
到達させずに切っていくのは熟練の技だ。

カットしたものを床にあて、
ピタッと合った瞬間は感動的ですらある。

仕上がったマームリウムを眺めるのも束の間、
二度目の養生シート貼りでさらに凛とした現場に
職人たちを迎える準備をする。

既に仕上げ材料の手配、特注和紙や
光壁の製作依頼等済ませてある。

tucasa 284_R.JPG建具屋さんとオリジナルで製作する
手掛や取手の材質・寸法も決め、

打合せに寄った際、工房では
僕の現場のエアコンガラリを製作中でした。

ガス屋さんに一旦開栓してもらい、
ボイラー・追炊き・浴暖・床暖の試運転をし、
正常に作動することを確認した。

tucasa 290_R.JPG水道屋さんに硬い壁材への穴あけ、
リモコン・シャワーの取付、

左官屋さんに浴槽廻りのタイル張り、目地込み、
排水目皿の中の最終勾配を造形してもらった。

職人さんは僕と一緒に施工することを喜んでくれる。

tucasa 306_R.JPG
何より、タイル割・材料の配置・カット寸法・目地巾等
僕が決定するので迷いがない。

来週から塗装→壁の石張り→建具取付
→内装張り→電気仕上げ、と
お盆前までに現場は彩りを添えていく。

最近テレビで世界中のパラリンピックの
アスリートを眼にする。
彼らには生きることの輝きと可能性を見出せる魅力がある。

予算の制約の中で、可能性を追求する建築人生もまた
日々の生活に輝きを添える。



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2017年07月20日

夏のレスタウロ

イタリアでは歴史的な建物を修復しながら、
現代のセンスを生かして、内部空間をデザインし直すことが
建築家にとって重要な仕事になっているけれど、

僕が今やっているプロジェクトも
既存の建築的な特徴を生かしながら

tucasa 159_R.JPGお施主さんの夢や理想、ニーズに合わせて
機能と共に再生していく、まさにレスタウロだ。

今回は初めて仕事をする西尾の大工さんと
猛暑の名古屋で魅力ある空間を造形してきた。

今回のデザインの特徴は、ブローバスとシャワーが
リビングという広場に面していて、
壁で囲わず連続する。

tucasa205_R.JPG床の排水勾配だけは
豊橋の左官屋さんに来てもらった。

防水屋さんは今回初めての業者さんに
頼んだのだけれど、

今までで一番丁寧な仕事をされる職人で
ラッキーでした。

いい職人に出会える事は宝です。

tucasa 219_R.JPG浴槽との取合いは
水返しの形状を大工さんが作り、

それを一旦外して
防水屋さんが防水施工を施し、
乾いて再び浴槽の内側に
セットするという連携を取った。

その後、浴槽廻りの形状通り、防水層で一体にしていく。

防水屋さんが左官屋さんの仕事を
今まで見た中で一番上手いと言ってくれて嬉しかった。

左官屋さんに電話で伝えたら
「努力していたらいい職人が来てくれるんですよ!」と云った。

tucasa 248_R.JPGさて、自然の素材は人間の感性や身体に語りかける
独特の存在感があるけれど、

浴槽空間の壁には1m×3mの
大型の陶板を切り出して張った。

水墨画のにじみ、ぼかしの技法は
味わいのある質感で、

目地のない壁1枚の陶板は
なかなか人の心に訴えかけるものがある。

tucasa 251_R.JPGしかも表面の光触媒の作用が
光と水の力で空気を浄化し、

セルフクリーニングの機能や
抗ウイルス・抗菌効果を発揮する。


先進的な意匠性と機能性は
さすが世界のデザインを牽引するイタリアだ。

梅雨が明けて本格的な猛暑の夏、
これから日本の伝統技法の素材と
抑制を利かせた日本の色彩で

お施主さんのために洗練された舞台作りに邁進します。


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2017年06月29日

リフォームはイタリアの広場

同じ愛知県民、将棋の藤井くんの活躍を嬉しく見守りつつ、

6月からマンションリフォームが始まりました。
ほぼ毎日職人さんと現場で過ごしております。

完成のイメージを職人さんに直接現場でお伝えした方が
間違いがないし、僕が現場にいると、

配線の出し位置から実材料での組み方、原寸での納まり決定等、
職人さんが悩むことなく仕事に集中できる。

自分も現場を見て決定するのだから、迷いがない。

tucasa_ 054_R.JPG空間の改造は、壁を取り払うことで
すでに劇的に景色が変わった。

今回は最上階の角部屋で、
外周部と隣との界壁だけでなく、
天井部にも電磁波防止対策を施した。

それを覆う仕上げは何を選択するか。

tucasa_ 080_R.JPGリフォームなので、既存の下地の状況、
どういう方法で施工すると剥がれず(安全に)
綺麗に仕上がるか、

出来れば手間を掛け過ぎず(安価に)
行うかは毎回作戦検討ですが、
今回はラワンベニア。

きっちり際を合わせていく作業は手間が掛かるけれど、
さすが大工さんです。

tucasa_ 099_R.JPG今回の現場を初めて下見した時、
イタリアの広場にしようと直感して、

天井の高低差で空間に深みを増し、
いくつかの立体造形を混在させて、

床、壁、天井、それぞれの素材と色で
調和を与えようと思っている。

建物の高さを揃え、
ヴァリエーションのあるファサードに統一性を与え、

柱廊などによって外部空間に連続性を与える
イタリアの広場。

リビングの中に浴槽とシャワーがある空間を
構築しているのだけれど、リビングを中心として、

キッチンと浴槽とベッドがそれぞれ、収納機能を持った
モニュメンタルなTVを囲む形になっている。

キッチンに立った景色、シャワー室に入る景色、
浴槽に浸かった景色、ベッドからの景色、
正面性と軸線が少なからず存在する。

tucasa_ 145_R.JPGさて、現場に浴槽を運び込んで設置し、配管をした。
今回はエレベーターに載せて搬入できるもので作る。

ここでも完成の床、壁のイメージ、設計寸法、
シャワーの位置出し等指示をする。

床の排水配管はいつも元の管底が決まっていて
余裕がないので水道屋さんの悩みどころ。

tucasa_ 143_R.JPG臭いが上がるのを避ける
排水トラップの取付けがいつも悩ましい。

すべての建築でそうですが、
配管の不具合、
部品の不良などによる水漏れが

マンションではお施主さん並びに下階の方に
大変なご迷惑を蒙るので、

造成前に試運転と排水を繰り返し、念には念を入れる。
排水が逆流せずスムーズに流れるか、
実際排水の配管経路をやり直した。

ちなみに浴槽を囲むエプロン部分は和紙アクリルの光壁にして、
和紙アクリルを外せば内部照明の交換、
水道配管の点検ができるように計画している。

今日家具の詳細図を描いた。
材料手配、職人の段取り、現場の日々はまだまだ続く。


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2017年02月26日

坪庭のメンテナンス

先日友人の庭師と坪庭のメンテナンスに伺った。

独立当初から僕の庭や外構工事はすべて彼の手掛けたもので、
僕は彼の庭が好きだし、一緒に仕事していて楽しい。

西欧の回廊から眺める中庭や
石の舗装と石の外壁で囲まれた広場の景観に感動するけれど、

日本には京都の中庭をはじめ大徳寺孤蓬庵忘筌、
築地塀で囲まれた竜安寺の石庭など

日本の先人たちは、内にいながら外部の自然との連帯感、
内から外部を眺める景観を重要視してきた。

ここは華道家のための外部空間に花を飾るための庭だ。

tsuboniwa_R.JPG三角形で囲まれた空間で思い出すのは、
イタリアのサンジミニャーノに
井戸を囲んだ広場があるんだけど、

ここでは三角形の庭に
花を飾るための台となる石を置き、

統一した素材の壁で囲うのではなく、
竹と杉皮で陰陽を表現し、立体感を

地面には起伏を造り、曲線を描いて、
狭い空間に奥行と広がりを出している。

地苔が自生して、緑が人の心を和ませ憩いを与える。

先日の積雪で銀世界の庭が美しかったそうだ。
これから芽吹いて樹々が青々と茂り木陰を作って、

秋には葉っぱが色付き、
四季折々の景色を楽しませてくれることだろう。

昨今の我が国の外部空間は、化学建材やフェイク材料が氾濫し、
無神経な野点看板など自然の景観に異質なカオスを形成している。

美しい歴史的な街並みを形成しているところは、
それぞれの土地固有の自然素材と、気候風土に適した工法で造られ、
特有の色彩と味わいがあるものだ。

高温多湿の日本での自然素材は、
古美て朽ちていくのが自然で、移ろうものなのだ。

自分たちの大切な領域を愛着を持って手を掛け続ける作法と
精神哲学は失ってはならない。

建築や庭は技術を越えた文化の表現なのである。


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2016年12月16日

阿蘇現地視察

この度の熊本地震でお亡くなりになられた方々、
そのご遺族の皆様に対し謹んでお悔やみ申し上げますとともに
被災された皆様方に心よりお見舞い申し上げます。

今回被災されたお施主様の住宅再建のために
現地視察に訪れました。

解体は市の公費解体を利用し、
現在仮設住宅にお住まいです。

洗濯機が外なのが不便ですが、
建替えの話ができることは希望です。

1481872109.jpgまず肥後一の宮の阿蘇神社にご挨拶。

紀元前創建の歴史ある神社は、
重要文化財の桜門や拝殿の倒壊した姿は痛々しかった。


地元の方は神社が犠牲になって自分たちをお守り下さったと。
身代わりになられた神様に心ばかりの奉賛をさせて頂き、
阿蘇の復興の象徴となる事を望みます。

現在解体のための足場が架かり、
使える木材はすべて丁寧に解体され再興されます。
ちなみに再建には10年20億かかるという。

さて、阿蘇市の大動脈国道57号線と
それに並行して走るJR豊肥線は土砂崩れで、

依然として復旧の目途が立っておらず、
遠回りの迂回路で渋滞が余儀なくされている。

1000回以上続いた余震がようやく落ち着いて
屋根等の修理依頼が殺到。

補助金が出るのだけど、期限が当初12月に切られ、
とてもこなせる数ではなく来年3月まで延期になったが、
それでも職人が足りず復旧は進まず、無期限になるのだとか。

こんな状況の中県外から悪徳業者がやってきて、
半日の日当が3万5千だと言って、しかたなく頼んだら
大学生のアルバイトを連れてくる始末。

困っている人を食い物にする輩が多いのだとか。

1481872082.jpg僕は信頼のできる工務店の方を
紹介してもらえて、
お施主さんとの顔つなぎもできた。

お施主さんに車で案内して頂くと、
常に山の頂きが平らな山並みがぐるっと
街を取り囲んでいる風景がある。


1481872140.jpgこの外輪山が取り囲む
巨大な円形広場のような阿蘇の街は、
広大な阿蘇カルデラそのもので、

火山噴出物が大量に噴出して、
地下のマグマだまりに空洞ができ、
地面が陥没したクレーターらしい。

火砕流や溶岩の大地に水が溜まり、
湖だった時代もある聖地のような場所だ。

1481872056.jpgその昔、阿蘇の街を取り囲む
外輪山が裾野の巨大な山が噴火して、
噴出物が長崎や佐賀まで飛び散った。

つまり阿蘇の山の噴火で
九州ができたくらいの
巨大な山の噴火だったという。

阿蘇は多孔質な岩石の地質から
ミネラル豊富な伏流水に恵まれ、
1500以上もの湧泉が分布している。

お施主さんの敷地もこの伏流水の恩恵を受けており、
被災しても水には不自由しなかったそうだ。

僕が泊まった民宿も蛇口からはすべて阿蘇の天然水だった。
伏流水で育まれた産地の食材は美味でした。

これから阿蘇地方の復興の一助となるように
取り組んでいきたいと思います。

負けんばい、熊本!


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2016年12月06日

casa grotta HP UP

久しぶりに完成後写真撮影ができましたので、
ホームページにアップしました。

これはシューズボックス型の3階建ての住居の内部を
全面改装したものです。

1480928986.jpg白いビニールクロスと既製品のドアがついた
物件だったけれど、

洞窟状の空間は、
やりようによっては魅力的なものになる。

壁を取り去り、照明・LANのハブ構築、
電磁波対策をしながら、

1480928745.jpg床はすべてリノリウム。
1階の壁・天井は桐、2階はレッドシダー。
ストーブ廻りは煉瓦。

レッドシダーは家具もすべて材木から挽いてもらい、
大工さんと一緒にプレーナー掛け、面取りをして
愛着をかけた材料だ。

この空間に山の精、山のスピリットを注ぎ、
樹の洞窟にしようというのが、そもそもの発想だった。

1480928891.jpgお施主さんの生活スタイルを
自らの文法で家具や内部造作を形にした。

この空間に薪ストーブを設置したのも
僕の提案なんだけど、

古代より家は母親の子宮を象っていて、
家の中にはかまどがあった。

1480929027.jpgローマ時代、洞窟は大地を母と敬う信仰から生まれ、
洞窟を母の胎内、命の源と見立てた。

ルネサンス時代、人々はキリスト教以前の時代は
おおらかで豊かだったのではないかと
古代の理想を探し始める。

ローマ時代のネロ皇帝の住居跡を掘ってみたら、
グロテスクの語源となった
グロッタ模様の世界が広がっていた。

1480928460.jpgルネサンスで人間解放が謳われてから
王侯貴族は競って、
古代の理想グロッタを作った。

ロシアのピョートル大帝も早速流行を取り入れ、
宮殿に自分の息抜きのための
秘密の場所を作らせた。

ペテルゴフのゴロッタはほぼ完全な形で残っている。

1480928502.jpg19世紀までは建築を作る時、
人は自然信仰の力を借りた。

自然を肯定し、人間も自然の一部であるという
グロッタの精神で作り上げた内部空間は
僕の仕事の魂です。

大地と繋がり、原始的な力を持つ素材たちが、
人の心を揺り動かす建築。

1480929745.jpgこの安らぎに満ちた
静謐なハーモニー、

自然と建築と人間が
融合した暮らしの中で

新しい喜びを
日々発見していくことを願って。

敬白。

司建築工房

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2016年11月18日

現場は時間と空間を超える

紅く染まった山々を車窓から楽しみ、現場へ着くと

僕の愛する建築が美しい石積みを纏って、
大地の上で出迎えてくれた。

1479471510.jpgすっかりこの場所に
馴染んでいるように見える。

鳥たちが自分たちのために
世界が時間と空間を
用意しておいてくれたことへの

喜びと感謝を歌うように、

僕はこの感動の時空を胸に刻み、
地霊に感謝と引き続きの祝福をお願いした。

この石はある山で採れた貴重な石で、
今では採掘が禁止になっていて、
文字通り最後の石なのだそうだ。

1479471547.jpg貴重な石はこの建築がある限り
語り継がれることだろう。

そして石積み職人は有名な腕利きで、
ヨーロッパ、アフリカ、アメリカ、
世界中から呼ばれるとのこと。

彼の仕事は一日に一坪しか進まない。

場面場面で素敵な遊び心とリズムを取りながら
その場所に相応しい形の石を見付け出し、

時に加工し、形造っていった仕事の跡は
見る者を釘づけにする。

写真に収めたい衝動に駆られた僕の脚の上で
橙や黒のてんとう虫たちが、
羽根を広げたりしてずっと踊っている。

1479471577.jpg茶色がかったグレーの石。
窓廻りの造形イメージ。

素材の質と色でこの建築のクオリティが決まる。
色々お伝えしたけれど、

監督がこの職人を人の紹介を通じて
引っ張ってきてくれたことは、
思いがけない幸運な出来事だった。

シモサカサン、このデザインの発想は
精霊が降りてきたのか、と監督が聞いてきた。

それはどうかわからないけど、
この土地に立った時、
四角いグリッドじゃないって直感したことは確かだ。

1479471631.jpg建築はどうしても自然にはない
直線になるのだけれど、

幾何学で自然に少しでも
寄り添いたいと想っている。

この図面を見た時、今まで見たことのない
面白そうな建築だと思ったけど、

いざ施工してみると大変で逃げたくなった、
と笑いながら語る監督の表情は
前回よりも緩んでいる。

監督は続けた。
この建築が完成したらたぶん
シモサカサンと同じ気持ちを味わえると思う。

まだまだ内装、建具、設備、家具と来年まで現場は続きます。

1479471681.jpg図面を読み切れていない部分を
再度説明したり、
ひとつだけ手直しもお願いした。

浴室の壁、浴槽廻り、床のスノコも図面通り
クレームを恐れず木でやってほしいこと。

ストーブの煙突の施工、キッチンの屋根排気、
トップライトの通気ガラリ、建具と硝子、
マーモリウムの施工、家具の共通納まり。。。

色々お伝えして、完成は楽しみだけど、
早く終わってしまうと淋しくなる、
そんな現場をあとにしたのでした。


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2016年11月15日

竣工の火入れ式

現場は養生シートを撤去し掃除をして、
カーテンを取り付けました。

レースのカーテンは、
電磁波シールドカーテンになっています。

現在製作中の椅子等納品が残りましたが、
お施主さまは、遊び心のある家具や全体の調和と色遣いを
大変気に入って下さいました。

1479129432.jpg街の木々が色づきはじめた秋の日、
無事竣工を迎え、
薪ストーブの火入れ式を行いました。

お施主さまに記念すべき点火をして頂き、
火のある生活の幕開けです。

暖炉屋さんも絶賛の
床強度と壁の防火構造、

そして断熱材の入った二重煙突で
施工した薪ストーブは、

木もガスも煙もちゃんと燃えている
素直な炎を見せてくれました。

優しく暖めてくれる熱を身体に感じ、
揺らめく炎を眺めていると話が弾みます。

1479129348.jpg人類は新石器時代に家の中に炉を作った。

これこそ失われつつある民家に続いた
人が住む家の本質です。

自然と人間の文化が合わさる場所で
美しい炎を熾す美学。

人間のキリなき欲望と歴史や自然を無視して、
効率のみを追求する資本主義経済の行き詰まりと同様に

ここまでやるかという便利な家電や
空調さえあればいいという発想の家では、

人としての生活の温かみや心の豊かさを育む
本来の家の本質からかけ離れてしまっています。

1479129396.jpg太陽エネルギーによって育まれた
木と人が

大地の上で
本性のままに融合する。

この哲学を
これからも形にしていきたいと想う。


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2016年11月04日

現場は最終章へ

常任指揮者の僕としては最後のフィナーレに向かって
これまで積み上げてきた集中力で
職人合奏を指揮しています。

毎朝現場までの車中は、ヴィヴァルディの四季♪

今年のクリスマスにチェロで参加することもあるんだけど、
テンションが上がります。

1478266373.jpg現場は薪ストーブと煙突を設置し、
スイッチ、コンセント、ライトを取り付け、
現場に照明が灯りました。

大工さんが残りのテーブル2つとソファ台、
ベットの組立て、階段の手摺、タオル掛け、
全て壁や家具と同じ木で製作しました。

1478266442.jpg
建具屋さんが引出の取付け、
エアコンガラリ、建具の吊り込み。

それに塗装屋さんがオイルフィニッシュ塗り。

掃除屋さんにガラス窓を中心に
掃除してもらい、

ガラス面にあらかじめカットしておいた
電磁波防止フィルムを貼ってもらいました。

最近は、銀行通帳やカードの磁気が
壊れるケースが急増していて、

携帯電話をはじめ空気中の電磁波放射量が
格段に増えているのが原因という話を
工員の方から聞いたのでした。

外国人観光客の拡大に向けた街の無料公衆WIFI化や交通網など
街に出たら電磁波に晒される世の中で、

避難場所としての住宅を考えなくてはならなくなった。

1478266506.jpg今週は胡桃割り人形の第2幕のようで、
職人が帰った後、
毎日掃除と翌日の現場の準備で、

先週末から今週もずっと
現場に張り付いています。

実は僕も一奏者でもあり、ワーロンシートを
カットし、曲げ加工を施し、貼り込みました。

1478266411.jpg最上階のテラスから大都会を眺める以外は、
閉じた建物なんだけど、

壁を隔てた内部は街にはない大地から繋がる
自然の息吹を感じて、外の喧騒を忘れます。

お施主さんの好きな山のエネルギー、
山の空気を感じてもらえる空間。

職人さんが、頭の中でどう考えたら
こんな建築になるのかって聞いてくれた。

確かに頭の中で考えたことが現実になるんだけれど、

「建築家は建物を使う人、そこに住む人の気持ちを
汲み取ることに尽きる」

急に冬が到来したような一週間でしたが、
家に帰ると暖炉に火が揺らめいていた。


司建築工房

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2016年10月21日

家具が生まれる現場

金木犀の薫りを風が運んでくれる秋の現場では、
日々大工さんが造作家具を手掛けています。

1477015816.jpg床と壁と天井で囲まれた空間を
創造するだけでは、

施主のことを考えた
建築家としての仕事とは言えない。


施主が望む以上の、機能的で快適な暮らしを提供したいから

考え抜いた寸法で、
内部造作も家具も一貫した文法による
素材とデザインで設計してある。

この現場では22個の家具が作られるのだけれど、
家具は建築と調和したものでなければならない。

そして照明も壁と天井と一体化してその一部となるだろう。

1477015701.jpg僕は、しょっちゅう現場に出向き、
大工さんのそばにいて、
完成形の納まりを助言している。

傍らで大工さんの仕事を見ていると
ひとつの部材ごと、水平、垂直、際を揃え、
強度と美しい仕上がりを考えながら、

ひと手間ひと手間作り上げていく仕事に
有難さで胸がいっぱいになる。

1477015744.jpg生命力のある素材で統一された現場では
職人さんも魅力的だ。

内部空間と全ての家具が調和した生活は、
素材への美と尊厳を感じ、自分たちの環境に
誇りと感謝を抱くことだろう。

1477015783.jpg

今、ソファと椅子の張り生地を海外から取り寄せて、
世界にひとつのソファと椅子を製作する。

誠実な仕事が誠実な環境を生み、
誠実な人の人生を助けるのだ。


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2016年10月06日

現場はモチベーションの源

人が愛着を持つのは形あるものだけではない。
感動しながら描いたアイデアこそ愛着がある。

CADからアイデアが生まれるわけではなく、
敷地を取り巻く環境から生まれてくるのだけれど、

大陸の山の中腹にある高低差に富んだ敷地には、
直角ではなく斜めのグリッドで作り出される建築が馴染むと直感した。

1475746177.jpgそしてプランを練り上げ、
構造から工法など、
自分の考えた建築が、

海外の地に海外の職人の手で、
おおかたのフォルムが形作られた。


1475746003.jpg鳥が自然に歌いだすように
素直に自己をゆだねていると

色んな場所からこの建築を眺め、
感動の波が打ち寄せてくるのでした。


1475745839.jpg職人さん自らが、
清浄な山でしか採れない

風の音と朝露だけで育つ
貴重な食材を採取し、
差し入れてくれたのも感動した。

皆で囲んで、秋の平穏な気で満たされる。

食事を共にしながら監督さんが、
こんな面倒な建築はこれが最初で最後だ。

1475745922.jpgでもこの建築が完成したら、
めったに見ることができない
美しい建築になる。

個人的な物件でなければ、
何かの賞がもらえるのは
間違いないだろう、と云った。

またある方が、シモサカサンの芸術作品は
お金では買えないものだ、と言って下さった。

1475748499.jpgこういった言葉こそ僕にとって
お金では得られない価値がある。

関わる人たちから愛情をかけてもらえること、
慕ってもらえることは、異質の喜びだ。


そう、僕はお金で買える建築には興味がないのだけれど、
この愛する建築はここからが面白い。

1475746090.jpg五角形の屋根を葺き、外部に石を積み、
多角形の内部に木を張り、
石を積み、土を塗る。

そして土で床暖房を作りながら床を仕上げ、
建具や家具をすべて木でつくる。

ストーブと煙突もつくだろう。

1475745738.jpgここにこのまま滞在して
しょっちゅう現場にいたい気分だけれど、

納まりも作り方もお伝えしたから、

監督さんはじめ職人さん達に
引き続きお願いして、

この度の経験で得た
秋の収穫を持って日本に戻ります。

1475746277.jpgまた来月の現場を楽しみに。

この建築が完成した時、
大自然の延長として生命感のある

魂の愛を語りかけてくるとすれば、
それは作品と呼んでもいいかもしれない。


司建築工房

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posted by Koji at 20:05 | TrackBack(0) | 現場

2016年09月21日

足の裏で幸せを感じる現場

世の中に花から生まれる床材がある。

初夏に青い亜麻の花が咲き、
咲いた後の種から亜麻仁油が摂れる。

そして亜麻仁油はリノリウムの原料になる。

亜麻仁油にコルク、木粉、石灰岩を混ぜ圧着して、
長尺床敷材リノリウムが作られるのだ。

1474466115.jpg裏にはジュートが使われ、
素材に柔軟性を与えるため

石油化合物ではなく、
松の樹液が使われている。

現代のコピー&ペーストのプリント技術では
表現できない天然の柄は、

バッハの音楽のようにリピートがなく、
生成を続けて飽きることがない。

そしてマットな色彩も魅力的だ。

合成顔料や重金属を一切使用せず、
天然色素で色付けされているからだ。

1474544205.jpg今残念ながら日本には、
石油系のビニール床材しかなく、

床の長尺材で天然のものを扱うメーカーは
なくなってしまった。

昔は郵便局や百貨店などの床に使われていたけど、
東京丸の内ビルに土足遣いで、
すでに60年使用経過しているものがあって、

その耐久性は実証されている。
医療施設などの実績でもクレームがないようだ。

抗菌性、清掃性にも優れ、
100%土に還る。

元々土足の文化ヨーロッパで生まれたリノリウムだけど、
素足の日本の家屋にも使わない手はない。

転倒時の衝撃吸収性に優れているし、
とにかく足の裏が気持ちいい。。。

ちなみに亜麻の茎の繊維からリネンができるんだけど、
人類最古の繊維で、ランジェリーの語源にもなっていて、

1474616884.jpg肌に優しくサラッとして、
コットンやシルクに比べて、
吸水性・発散性に優れている。

繊維の中には空気が含まれているから
保温性もあり、オールシーズンに適している。

リノリウムも湿気の具合で色の濃淡ができるほど、
確かに呼吸していて、下着のような心地よさがある。

施工はやはりビニール床材より曲りにくいから手間はかかる。

今回は暖かい季節だからよかったけど、
冬にはトーチであぶりながら、
ならすのにも時間がかかる。

今回も狭いトイレの床だけは
型を取ってカッティングしてから貼った。

壁を傷付けるからだ。

1474544265.jpg想像した通り、木との相性は抜群だ!

天井の木の流れに合わせて、床も長手方向に
目地を堀り、溶接でラインを作る。

掃除と2度目の床養生をして
また真っ新な現場になった。

床が浮いている箇所発見。
掃除と床養生は、職人さんの仕事の跡を確認し、
チェックも兼ねる。

来週から再び3人の大工さん、
仕上げ工程の職人さんたちを迎えます。

長くなったので、

つづく。


司建築工房

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2016年09月20日

現場は最高のアトリエ

建築を考え、建築を作る、
人生にこんな楽しい生き甲斐があるだろうか。

壁と天井に生命感のある木を張った現場にいると、
人を温かく包み込む普遍的な安心感があります。

本物のクオリティーを持った建築を提供できる
意義ある仕事に喜びを感じるものです。

無垢の木と長く付き合っていくために
塗装は欠かせません。

木の調湿作用を妨げることなく、木の質感を活かす
浸透性の植物オイルを塗りました。

オイルフィニッシュならではのしっとりとした仕上がりで、
乾拭きでメンテナンスしていきます。

1474265018.jpgストーブ廻りの炉台と炉壁は、
下地の胴縁を含めて

不燃材で二重空気層構造にして、
耐熱・防火対策をしてあります。

燃焼装置・暖房装置として
その能力を発揮するために

デリケートな通風計画が大事で、

建物全体で微差圧を測り、
給気口を調整しました。

ブリックは焼き物ならではの自然なムラと粗面なもので、
出隅の曲がりを特注の寸法で焼いてもらい、

このブリックを引き立たせるための目地は、
骨材を混ぜたザックリとした白系のブリック目地で、

ブリックの厚みを消さないように
深目地で陰影を出します。

1474356063.jpg床にマーモリウムを貼るため
ひとまず床養生を撤去して掃除。

これまで解体、電気配線のやり変え、
電磁波シールドシート張り、

空間の形を変え
本物の木を張ってきた現場の
床養生が一つの役目を終えました。

将来的に下地の細かい凹凸が出ないように、床のパテ補修を行い、
ケレン・掃除をして、マーモリウムの仮敷きとカッティング。

1474459170.jpgマーモリウムを貼りつける前に、
下階の分電盤、

電灯配線・照明器具からの
低周波磁場を遮蔽するために、

シールドシートを敷き込みました。


1474265044.jpg大工さんの作業場では、机やテーブルなどの
家具製作にかかっています。

一貫性のある文法でデザインした家具が
生れてくることはとても楽しみです。

今回は家具屋さんではなく、
製材で挽いてもらった無垢材を使って、
大工さんにすべての家具を製作してもらいます。

手作りで形作られていく過程は
かけがえのない僕の生き甲斐だ。

つづく。


司建築工房

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posted by Koji at 19:01 | TrackBack(0) | 現場

2016年08月28日

充実の夏の現場から

今年の夏は2件現場が始まりまして、
現場で過ごすことが多かった。。。

早朝に起床し、料理をして朝食をしっかり摂り、、、
弁当を持って現場に出掛ける。

夏の現場の一日は、
ミネラルウォーター2リットルをいとも簡単に消費する。

現場から戻れば、ゴミなどの片づけ、設計や段取り、、、
そしてチェロの練習。

日没とともに休息に入るわけではないけれど、
案外サーカディアンリズムな毎日だ。

現場でも最近はトンボを見掛けるようになり、
あれほどいた蚊も減ってきた気がする。

現場生活から季節の移ろいを感じるのでした。

1472304667.jpgリフォーム現場ではドイツから取り寄せた
電磁波電界シールド材を

外壁面すべての壁と
最上階の天井に敷設した。


これは外部から建物内に透過してくる高周波を遮蔽し、
内部の高周波と屋内配線から発生する低周波を吸収して減衰し、
伝導性テープでアースと連結させて、逃がす仕組みだ。

無線通信網の利便性を最優先して
負の側面を顧みない文明社会日本の中では、

かつて人類が経験しない電磁波を
あらゆる場面で四六時中浴びていることは事実で、
活性酸素を放出させやすい環境だと言える。

最近は田舎へ逃げれば大丈夫とは言えなくなった。

世界ガン研究機関が携帯基地局などから出るマイクロ波に
発がん性の可能性を認定して5年経つけれど、

国が定めた電力密度の安全基準は
高周波規制を始めているEUのなんと1万倍。
これは人体の許容範囲を越えている。

EUの国々がマイクロメーターを見送ったり、
高周波規制に乗り出している動きと逆行して

日本では介護・医療・学校でさえ
無線LANによるユビキタス社会を国策とし、
高速通信技術をさらに加速させている。。。

この話題はこのぐらいで切り上げて。

工程の最後にはガラス面にもシールドフィルムを貼り、
シールドカーテンを併用します。

これで25年前の電磁波レベルにはなるだろうか。

猛暑の中、壁に貼った電磁波シールド材を貼ってから
明らかに輻射熱の体感が変わった。

思いがけず、遮熱効果もあるようだ。

住宅は、健康な人生を過ごすための基本的な生活の居場所であり、
しかも、安らぎ、寛ぎ、癒されるべきで、
いつまでも飽かずに楽しめるところだ。

それには身体感覚に基づいた
自然の素材で生成される表現にすべきで、

内部空間こそが住宅の本質だ。

1472304708.jpg今現場は天然の木に囲まれてきたけれど、
住む人の前に、僕ら現場で働く職人に
エネルギーを与えてくれている。

すべての壁に木を貼り終えたら、
床には天然のマーモリウムを貼り、

薪ストーブ廻りのレンガ貼りや煙突工事も
これからだ。

そして棚、テーブル、机等
すべて壁と同じ木で手作りしていきます。

1472468511.jpg注文して挽いてもらった木材を
大工さんの作業場で、
1週間プレーナー掛けしています。

かなりのボリュームがある木たちを
加工できる広い作業場があることが有難い。

木屑の量も半端ない。

木は削ってみないとわからない。

機械に掛けるとは云え、何度も削り木を見て、
同じ樹種でも個性の違うひとつひとつの材料を生かす。

親密に木と接すると、材木屋さんが苦労して適材適所に
少しでもいい材料を届けたいという想いがわかる。

自分で木を一枚一枚機械に通しながら感じるのは、
建築というのは自分の姿が忠実に映るもので、

作り手の生活に偽りやうそのないものであれば、
最善を尽くして誠実に生きる生き様が鏡のように反映するということ。

たぶん同じ木の表現でも違ってくるし、
お施主様はそのなにかを感じて
暮らしてもらえるのではないかと信じています。

1472304766.jpgもう一つの現場は新築で、
こちらも猛暑の夏始まりました。

海外とか国内とか建築に区別はないけれど、
この建築は現地で産出する石を
外壁や土留めに積み、

内部は木と現地で調達できる土と天然のマーモリウムで造り
外壁の石が内部にも連続します。

壁の中や屋根面、床の断熱にも空調設備を備えた天然の素材を使い、
外部の建具もすべて木でつくる二重の建具です。

この土地に生えた樹木のように有機的な自然の風景となるためには
本物であらねばならない。

廻りの自然環境に調和してくれるだろう六角形の空間を
楽しさや豊かな生活に貢献するように設計しました。

当初は別荘であるけれど、永住の住まいとしても
日々の生活で季節、昼夜、様々な楽しさを発見してもらえたら嬉しい。

僕の考えた表現が形になるまで
まだまだ建築の日々が

つづく。


司建築工房

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posted by Koji at 15:25 | TrackBack(0) | 現場

2014年12月20日

cocoa brown HP UP

ビフォアアフターの番組のように
お施主さんは完成まで
一度も現場を見られていない。

2014121842782.jpg完成した部屋の変わりように
終始大興奮!!

実際の建築費の倍以上かかってるように
思えるとおっしゃって、

一番のこだわりだったラウンジも
リラックスできると喜んで下さった。

スツールをもう一つ追加注文下さる。

2014121842802.jpgヨーロッパでよく見かける暖房器を
追加設置したから、

どの部屋にいても
温度差がなく寛げる。

cocoa brown と名付けたけれど、
木の茶色にグレーの塗装を塗り込んだ色。

タイの高級青磁セラドン焼きを
特注で焼いてもらったタイル。

201412184274.jpg選び抜いた紫のファブリックと
海外の壁紙。

手作りで仕込んだ
トグルスイッチやコンセント。

この空間に合ったベットやサイドテーブル、
ソファやスツール、テーブル、備品。。。

2014121842681.jpgすべてお施主さんのためだけに手作りした。

これからじっくり素敵な時間を過ごされ、
また色んな発見をして頂けることを願って、

cocoa brown を贈ります。
Sapone Tabacco Toscano を添えて




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posted by Koji at 02:39 | TrackBack(0) | 現場

2014年12月14日

ATTACK15


20145612134264.jpg2015年7月の15周年を前に
tucasahomesオリジナルが遂に完成!

とは言っても
完成見学会で披露するわけでもなく、
ただお施主さんに喜んでもらうために

20145612134270.jpg食事以外の必要なものを
セレクトして
セッティングしておく。

備品に至るすべてのものが景色として
ここでの素敵な時間をコーディネートしてくれる。

視覚や寸法で作った
雰囲気や色気だけじゃなく、

201456121342762.jpg薫りや音楽、味も加わる。。。

名古屋の先生方が
ノーベルウィークを過ごされてる間、

僕はLEDランプで照らされた空間を
色んな角度から眺めてみる。

201456121342791.jpgあとは、
ビフォーアフターじゃないけれど、

鍵を預かって以来
一度も現場を見られていない

お施主さんの
リアクションに集中するのみだ(*^^*)

ATTACK15^ ^v
今回の仕事は手作り感満載だ。

20145612134266.jpgその数々は
ここでは語れないけれど、

僕に仕事を任せて下さった
お施主さんだけには

打ち明けよう!



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2014年10月27日

リフォームは彫刻だ

今名古屋の東区で15階のマンションリフォーム工事に入ってます。

新しい空間を考えて、
素材を選んで全体をコーディネートした。

スイッチ、取手に至る細部や
ソファ、ベット、テーブルなどの家具も設計した。

今その新たな空間を創るために
大工さんと二人で解体作業に没頭中。

一日現場にいるのは楽しい。
毎日あっという間に時間が過ぎるのに驚いてしまう。

201410273668.jpg必要な下地を残して、
いらないものを撤去する。
まるで彫刻のようだ。

構造やスラブ、
換気ダクトや水道配管は想定どおり。

解体は見えない施工方法や使用材料がわかるから
この経験がまた次に繋がる。

マンションではなるべく音を出さず、手際よくがモットーだ。
ここでは店舗の改修や改装の経験も役に立つ。

201410273677.jpg実はこれからの搬出、搬入に
いい作戦を考えてあって、
子供のようにワクワクしてしまう。

百戦錬磨の大工さんに片づけの手際を褒められた。
発想を褒められるよりもなんだか嬉しい。

というわけで最近はずっと現場に張り付いてるから
毎日ランチを食べ歩くのもまた楽しみなのでした。


司建築工房

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2014年09月13日

トレーニングジムのある家

今回宇野さんに紹介して頂いた大工さんと
初めて仕事をさせてもらいました。

201409123442.jpg悪いエネルギーの人を入れて
自分の城を乱されたくないという
潔癖なお施主さんなんだけど、

この大工さん達は置いてある道具も気配も
全然気にならない、

かえって家の中を
良いエネルギーに入れ替えてくれたようだと、

今度郊外に建てる別荘も
この大工さん達に建てて欲しいとのこと。

それとやっぱり生命感のある
本物の木はいいですね。

壁の木達に蜜蝋ワックスを擦り込むのは
僕が担当したんだけど、

一枚として同じものがない
綺麗な木目が浮かんできて、
木の香りに包まれます。

身体を使って働く充実感は何物にも変えがたい。。。

これからマシンが置かれます。



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2014年08月19日

リフォームの現場から2

賃貸マンションというと床は茶色で壁と天井は白。
誰が入居するかわからないから無難にという考えだ。

最近の新築タワーマンションだって
グレードで多少の違いはあるものの基本は同じだ。
そこに個性はない。

就活のスーツのあの個性を出さない気持ち悪さにも似ている。

住人が入居してから家具やファブリックで
自分の居場所に染めていくしかない。

物件の価値は立地の便利さと設備が新しいかだろう。
新築か中古か、また都心か田舎かによって相場が決まる。

その家賃によってオーナーがリフォームに掛ける予算も
長期で回収することを考えると限度がある。

今新築マンションでも9割が売れ残り、空室率は20%程度だ。

画像 3239.jpgそんな中、築年数の古いマンションでも
他では見つけられない唯一無二の物件に
作り変えるとどうだろう。。。

最近では海外から輸入した個性的な壁紙が
簡単に手に入る。
そんな壁紙選びはいつも心が踊る!


皆と同じ制服、体操服を着せられてた僕は、
子供の頃から海外ドラマや洋画に出てくる
室内の壁の色に憧れてた。

画像 3234.jpg壁の一面に色を持ってくるだけで
空間が変わる。
さらに柄の力は個性的な空間を作り出す。

でも壁紙を変えればいいってもんじゃない。

僕は毎回その物件の欠点を無くし、
配色と柄のハーモニーを考え、
空室をすべて満室にしている。

僕の考えに賛同してくれるマンションオーナーに出会えたからだ。



司建築工房

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