2017年04月15日

イロハモミジとの旅

アトリエの窓からは桜が輝き、鳥が歌う。
庭の木々の枝には芽吹いた若葉が萌える春。

houshun 037_R.JPGこれからある芸術家の
アトリエ兼自宅の設計を控えていて、

ナタリーデセイのリサイタルのため
上京する機会に
葉山の山口蓬春画室を訪ねた。

僕が勝手に師と仰ぐ吉田五十八の1954年の建築なんだけど、
長い年月の間に手が加えられていたのを
つい最近、原設計に復元する改修が行われた。

1940年祖師ヶ谷に建てられた旧山口蓬春邸は、
作品集を眺めるだけで、残念ながらもう現存していない。

houshun 153_R.JPG常に新しい時代の表現を求めた
同窓生の蓬春との建築は、
さぞ楽しく仕事をされたのではと想像する。

筆洗場や隠し戸棚、ガラスの飾り戸棚、書庫など
徹底した緻密さで構築した機能性と

建築美学を表現した画室は、
庭のいろはもみじの緑で照らされていた。

建築は元の場所でのみ正しく鑑賞され、
空間体験を通してのみ正しく建築家の意図を汲み取ることができる。

houshun 142_R.JPG花々が咲き匂う葉山のお庭では、
いろはもみじの花が咲き、

翼の種が風に運ばれ、
春に芽吹いた葉っぱが
地面に顔を出している。

僕は以前よりアトリエの庭にもみじが欲しいと思っていた。
それも小ぶりな葉っぱのいろはもみじが好きなのだ。

庭を管理されている葉山のおばさまが
「お持ちになる?」と声を掛けて下さった。

houshun 145_R.JPG根付かせるにはもう少し
根が張ったものがいいからと

運良く?草取りされずに残った、おそらく
発芽して3・4年目の若木を頂いたのでした。

思いがけず縁あって旅のお供が増えた。
とりあえず根っこをティッシュで包んで、細長い葉っぱで縛って。

磯の香りの風が心地よいバスに揺られて
軒先に吊るされたワカメと満開の桜を見送った。

houshun 173_R.JPG銀座並木通りのサンモトヤマを訪れるため
銀座風月堂でお茶をしていると

入口でお持ち帰り用のお菓子を
販売されている店員さんが、

お店で使っているというプリンのカップと
手提げ袋を持って来て下さった!

感動してしまいました。

接客マニュアルがあるわけはなく、
カバンから顔を出したもみじを見られてのこの心配りは、
海外から評価されるまさに日本のおもてなしでした。

お蔭でお水を常に浸すことができるようになりました。

「またお越しください」と笑顔でお見送り下さったのでした。

司建築工房

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2014年09月01日

2回目の大峯山修行

8月の締めは昨年に引き続いて大峯山修行だった。

201408313276.jpg靴の裏が滑る岩場を登ったり渡ったり。
スベって手を離したら。。。ただではすまない。

毎年2人くらい
ヘリコプターで搬送される方がいるという話は
嘘ではないらしい。

普段、怖くて足がすくむ経験なんて、
なかなか出来ない。

ビビっても進んで行く先に充実感がある。。。
人生そのものだ。

でもそこには先達のお導きを素直に聞いて
実行する事が肝心だ。

201408313275.jpgこの大峯山は今回2回目なんだけど、
山自体が特別な磁気エネルギーに満ちている。

帰ると自分ではないような
神がかったエネルギーを実感する。

巨大な断層が隆起してできた山には
そうした神聖なパワーが宿るのだろうか。

直前から夏風邪をひいてたんだけど、
ウイルスに負けずに出掛けて良かった。

「懺愧(ざんぎ)懺悔(ざんげ)六根清浄(ろっこんしょうじょう)」

最高にホットなアミューズメントパークでの一日に感謝。


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2011年02月18日

京の冬の旅1

今、大河ドラマ「江〜姫たちの戦国」にちなんだ寺院の
非公開文化財が特別公開されている。

P2165289.JPGまずは養源院から。

ここは淀殿(茶々)が父浅井長政を弔うために
秀頼を産んで、秀吉がご機嫌の時に
頼み込んで建立したものだ。


しかもここは平安時代の後白河天皇の住まいだった一等地。
長政の21回忌、養源院は長政の戒名だ。

しだれ桜が満開になったら素敵だろう。

P2165285.JPG一族が生き延びていくために惨い政策を
余儀なくされた戦国時代の人間模様は、
歴史の醍醐味のひとつなんだけど、

淀殿にしてみれば、
父を信長軍の秀吉に滅ぼされて、
10歳の兄万福丸を秀吉に殺されて、

母(お市)も柴田勝家と共に秀吉に滅ぼされて、
そんな憎い相手の側室となるのだけれど、

淀殿も母お市さんのため、浅井の血を絶やさないために
秀吉にしたたかにすがるしかなかった。

P2165281.JPG本堂の真向かいに母お市さんの供養塔を建てて、
真ん中に風穴の空いたデザインは、

浅井家と織田家の狭間で苦労したことと
直接殺めた秀吉のことを
水に流したいという表現なのだとか。

開山は比叡山の僧、成伯法印(信長のいとこ)で
信長の比叡山焼き討ちの際、
たまたま奥州に行っていたため生き延びた方だ。

本堂には俵屋宗達の襖絵「松図」。

金箔地に岩絵の具で描かれた老松の枝ぶりは
苦労を重ねて歩んだ武将たちの人生を称えるかのごとく立派で、

美術館のガラス越しではなくて、
部屋の襖として自然光で眺めるのだから格別だ。

俵屋宗達の杉戸絵「唐獅子図」「波と麒麟図」「白象図」。

非業の死を遂げた武士たちの霊を慰めるために
極楽に運んでくれる動物たちをコミカルに描いている。

伊藤若冲よりも前にこんな斬新な表現をしていたとは。
これ宗達?って感じるほどだ。

狩野山楽の襖絵「牡丹図」はもう少し近くで見たかった。

廊下の血天井は、家康の家臣・鳥居元忠が伏見城を死守して、
最後に自刃した生々しい血痕の付いた廊下の床板だ。

元忠はわずか1800名で伏見城の留守をするという
完全に死を覚悟して囮(おとり)を買って出た。

石田三成軍率いる4万の兵に囲まれながらも
12日間勇敢に耐えたことが、

家康軍の関ヶ原の戦いの勝利に大きく繋がった。

家康はこの働きのおかげで天下を取れたと
遺族に感謝状を書いたらしい。

今の養源院は一度焼失の後、徳川秀忠に嫁いだ
お江さん(崇源院)が秀忠に頼んで再建したもので、

伏見城の血痕の付いた床板を
功績を称えて天井として用いた。

そもそもお江と秀忠の祝言(しゅうげん)は
秀吉と淀殿の媒酌で伏見城で挙げているので

お二人にとって想い出の城なのだ。

お江は大阪城落城の1年後、
淀殿のためにここで豊臣の法要を行っている。

外に出ると運よく、副住職の方にお会いできて、
いろんな貴重なお話が聴けた。

お墓にお供えしてある菊の花びらをヒヨドリが食べに来て
丸坊主にするので、こうして換えてるんです、と。

P2165280.JPGお江さんの大きな供養塔は秀忠との間にできた
五女の和子(まさこ)(唯一朝廷に嫁いだ東福門院)

がお江七回忌の時に建立したもの。

四方に梵字が刻まれていて、東(近江)は浅井。
南(伏見・大阪)は豊臣。
北(御所)は皇室。
西(正面)は徳川。

以来、徳川家の菩提寺として守っていく。

苦労した東福門院の天下太平の願いが込められていて、

お江と秀忠のお位牌には菊(皇室)葵(徳川)桐(豊臣)
の家紋が刻まれている。


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2010年10月27日

香港・上海・蘇州へ

PA233281.JPGマスコミの影響だろうか、
中国に行って来ると云うと、
皆に大丈夫?と云われたけれど、

日中友好な旅をすることができた。


香港に着いたら、
九龍から見る夕陽の香港島。

PA233314.JPG夜はビクトリアピークから
100万ドルの夜景を堪能した。

I・M・ペイの中国銀行タワーや
建築現場を限られた時間歩いて見て回る。

PA243430.JPG超高層ビルの現場でも
足場は竹で組む香港だ。

どんなふうに縛ってるのだろうと興味がある。

寒波の上海の街を見て歩く。
昔の居留地の建物が
そのまま残っている。

蘇州に足を延ばしたら
蘇州の白い壁とグレーの屋根の街並みだ。

PA263647.JPGその街並みの色から導き出された
蘇州博物館の空間を身体に染み込ませ、

隣接する拙政園では
ドイツ以来の味のある石畳に出会った。

仕事の合間を縫った束の間の旅でした。


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2009年02月24日

ロンドン巡礼4

3日目は朝一で単独行動。

ヘルツォーク&ド・ムーロンの出世作でもある
テイトモダンをミレニアムブリッジを渡って見に行った。

DSCN1042.JPGこれはミレニアムプロジェクトの一環で、
レンガ造りの火力発電所を

3,750トンの鉄を使って
美術館にリノベーションしたものだ。

内部は広大な吹き抜けになっていて、
高さ35mのハイサイドライトから自然光が届く。

テムズ川沿いのベンチに座って、
ラブアクチュアリーではまだ工事途中だった

ノーマン・フォスター設計の30セントメリーアクス(通称ガーキン)も
先細りのユニークなデザインの完成形で聳えていた。

帰りは橋の正面にセントポール寺院が見えるように橋を掛けている。

DSCN1048.JPGアラブの大富豪が買い物に来るという
セレブの百貨店ハロッツで合流。

確かに荘厳な内装で、
トイレもチップを払って使用する。
手を洗うとおしぼりを手渡してくれた。


この日の夜は、アルセアさん宅でのパーティーにご招待。
玄関で出迎えてくれて、コージ!ラブリーラブリーコーージー!と
豊満な女性に熱いハグで歓迎してもらった。

向こうの方はまずすべての部屋を案内して見せて下さる。

ホームステイのウクライナの女の子ともおしゃべりして。。。

DSCN1070_r1.JPGこの日のためにジャマイカ料理を
すべてお一人で作ってくれて、
ビールに白・赤のワインも美味しい。

最後はレゲーミュージックに合わせて
皆で思い思いのダンスで大盛り上がり。

この日のことは一生忘れないだろう。



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2009年02月23日

ロンドン巡礼3

DSCN1019.JPG2日目はVフォーヴェンデッタの爆破シーンの
国会議事堂と愛称ビッグベンの時計台から。

元は10世紀の建築で、歴代国王たちの
居城として使われてきた。

その後火事に遭って、19世紀に
今のイギリスを代表するゴシック建築に再建されて、

議会の他に、王家に関わる儀式が行われる。
ビクトリア女王専用のエントランスもある。

DSCN1023_r1.JPG地下鉄を降りて階段を上がり地上に出た瞬間に、
荘厳な鐘が鳴って、歓迎されてるようで感動した。

1時間ごとに大きな鐘が、
15分ごとに小さな鐘が響き渡る。

大晦日にはカウントダウンで
花火が打ち上げられるそうだ。

ウェストミンスターブリッジからテムズ川を眺め、
ウェストミンスター寺院へ。

11世紀のゴシック建築で、国王の戴冠式が行われる。

昔王室の狩猟場だったセントジェームスパークを散歩して、
現在の王室の住まいであるバッキンガム宮殿へ。

DSCN1026_r1.JPG衛兵の交代式がたまたま見ることができた。
2階建バスにも乗って街を見学した。

タワーオブロンドンは11世紀に建られた要塞で、
今は儀礼的な武器や、中世騎士達の武具、
歴代王達の王冠、

世界最大の530カラットのダイヤモンドなど
見応えのある品々がたくさんある。

ここは昔監獄でもあり、処刑も行われたところだ。

テムズ川には跳ね橋で有名なタワーブリッジを臨む。

DSCN1030.JPGダイアナ妃が結婚式を挙げた
セントポール寺院の横を歩いて帰った。

イギリス料理というものはないけれど、
世界の料理が食べられ、
世界の酒が飲めるロンドンなのでした。

次のブログに続く。


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2009年02月22日

ロンドン巡礼2

DSCN0966_r1.JPG大英博物館では世界の3分の2を制した
大英帝国の戦利品の数々。

ロンドンではほとんどの博物館は無料で入れる。

元は盗品だから盗品でお金を取るのは
いかがなものかと、世論の声があるらしい。

素晴らしいのは小学生がたくさんいて、
美術教育を盛んに取り入れているようだ。

小さいうちから本物に触れられるのはいいことだと思う。

DSCN0972_r1.JPGロゼッタストーンは
ナポレオンがエジプト遠征の際に、

ロゼッタで発見されて、
その後イギリスがフランスに
勝って持ち運ばれたものだ。

それまで謎とされていた
エジプト文明を知るきっかけとなった
歴史的考古学資料だ。

アッシリアのレリーフもたくさんあって、
巨大な馬の像は解体して運んで、つなぎ合わせている。

他の国が大きすぎて運搬不可能として諦めたものでも、
大英帝国は何でも運んできた。

ミイラや棺もたくさんあって・・・エジプトだけで長文になってしまう。

大英博物館はルーブル美術館と同じように
1日かけてもすべては見れない。

夜は友人宅で地元の友人・知人が集まってくれた。

日本から女性陣2人が着物と茶道具を持参してくれてて、
お茶会が催された。

外国の方はジーと作法を食い入るように見つめて、
終わってからビューティフル!精神性を感じる!って
心から感動していたのが印象的だった。

この日初めて出会ったアルセアが
「コージ!みんなで家においで、ご馳走するから」
と招待してくれたのでした。


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2009年02月20日

ロンドン巡礼1

世の中に嫌気がさしたら、ヒースロー空港へ。
ここには愛の光景がある。

Love actually is all around.

大学時代の懐かしい友人が到着ゲートで迎えてくれて、

DSCN0897.JPG4日間つきっきりで
ロンドンを案内してくれた。

漬物、梅干し、切干大根を
持って行ったら、
大変喜んでくれて、

Joeさんは僕達の訪問のために、
お米や味噌などの食材を調達してくれてて、

毎朝ごはん(イタリア米)と地元のジャガイモとわかめの味噌汁、
ひじきの煮物など和食を振舞ってくれた。

ロンドンで頂いた和食は一生忘れないだろう。

DSCN0908.JPGJoeさん宅のアパートメントは
築150年のビクトリア調に
一部エドワード調が混ざった造りで、

内部はきれいにリフォームされてて、
各部屋はセントラルヒーティングで暖かく、
天井高が3,150もあってで気持ちいい。

しかも窓の金具等は当時のままで、味がある。

イギリスでは建物はめったに壊さずに、
外壁は足場を掛けて修復して、
内部は何度もリフォームする。

DSCN0922.JPG築150年の赤レンガの高級住宅街が
すぐ裏通りにあって、毎朝散歩した。

煙突から食卓の湯気と暖炉の煙が出てて、
メリーポピンズを思い出した。

次回へつづく。


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2009年02月01日

北京巡礼2

・・・I・M・ペイの中国銀行本店。

銀行に足を踏み入れると、カウンター越しに行員の方が
いらっしゃいませという日本の銀行の風景は全く見当たらない。

ソフトボールのグランドが入るほどの広さで、
地上12階分くらいの壮大なガラスの吹き抜けのあるアトリウムには
竹の庭やプールがあって、こんな銀行は見たことがない。

その奥の階段の向こうに業務空間があり、
ペイさん得意の幾何学、円の形で吹き抜けている。

ペイさんの作品には共通して、円が使われている。
ここでも壁に円を穿ってその向こうに竹の縦のラインが見える趣向だ。

壁に円を穿つのはドイツ歴史博物館でもあった。

竹は近代建築と相性がいい。

ガラスを通した光と床や壁は肌色の色調の石。

ここではローマ産のトラヴァーチンが使われている。
ちなみにルーブルではフランス産のマニドリという
ライムストーンが使われている。

(銀行のため画像は非公開)

今回の旅で出会った北京の一般市民の方は皆親切だった。

地下鉄はどこまで行っても2元で、
女性の方はほとんどスッピンで新鮮な感じがした。



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2009年01月31日

北京巡礼1

昨年夏、北京オリンピックが開催されたんだけど、
谷本さんの2大会連続の金メダルという偉業のおかげで、

桜丘学園主催の祝賀会にアテネ・北京と
お祝いに駆けつけることができた。

金メダルは文鎮のように重かった。

Scan10006.JPGヘルツォーク&ド・ムーロン
設計のオリンピックスタジアム(鳥の巣)
を見て来たんだけど、

あの流線形のやわらかいフォルムは
まさに近代の象徴で、
廻りの垂直のビル群の中で異彩を放っていた。

建築というより巨大な器だ。

この有機的な形を現実の構造物に造り上げるのは大変なことだ。

鉄骨を鳥の巣のように組み上げる網状の複雑な構造は、
3次元構造系CADソフトにより日本人の建築家が担当した。

この名作は中国国民で末永く残してほしいと思う。
年間のメンテナンス費に7億円かかるそうだ。

.JPGせっかく北京に来たら、万里の長城は外せない。

蒙古側は高い壁がそびえ、
中国側は手すり程度の壁。

永遠とキリなくつづく道・・・当時、任務に就くだけでも
日々大変だったろうと思う。


この万里の長城に程近くに見たい建築があって、
DSCN1778_r1.JPG竹の格子の建築で、
向こうに緑の山の稜線を望む美しい景色。

隈研吾さんにお聞きしたら、
見るためには泊まるしかないとのこと。

運よくほぼ貸切り状態で一泊して見学してきた。

ガラス張りの空間が北京の冬の寒さに空調で
どれだけ補えるか定かではないけれど、
構造と意匠をうまく組み合わせた建築だった。

次回へ続く。

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2009年01月12日

ブリューワイン

現場にずっといると温かいものが恋しくなる。

?.JPG昨年末、ベルリンのクリスマスマーケットで飲んだ
ホットワイン(ブリューワイン)を思い出した。

日本の甘酒のようなものだろうか。

氷点下のベルリンではいろんなところで
ブリューワインを頼んだ。


DSCN2616.JPG屋台でのソーセージも外せない。

半分に割ったパンに挟んで
マスタードをかけて食べる、

ドイツのソーセージはやみつきになる。

DSCN2777_r1.JPGドイツの友人に勧めてもらって美味しかったのが、

トルコのドネルケバブという
羊の肉をスライスしたものと

トマトやキャベツなどの野菜を挟んだ
サンドイッチ風のもので、
お薦めの一品だ。


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2009年01月03日

プラハ巡礼

夜明け前、プラハへの列車は1等席で、
ベルリンの友人が手配してくれたのでした。

隣の乗客の声も全く聞こえないし、
他の乗客の姿も見えない。

DSCN2886.JPG列車の旅がいいと思うのは、
思想して、気づきの時間を与えてくれる。

スピードがちょうどいいのだろう。

この日、車窓から見た夜明け前の
空の色に感動してしまった。

紫がかった深い青。ピカソの青の時代や
ベルリンで見たパウル・クレーの青はこの青だと・・・、
日本には全くない色だ。


青 ― 最初青が使われるのは聖母マリアの衣装ぐらいで、
その後フェルメールが一般庶民の服に青を用いる。

18世紀のベルリンがプロシア王国だった頃、
ラピスラズリに代わって偶然できたプルシアンブルーが世界を渡って、

浮世絵の安藤広重が用いて、その浮世絵が
ヨーロッパの印象派の画家に影響を与えた。。。


夜が明けてくると、車窓は一枚の絵のように、
風景を映し出してくれる。

X.JPGプラハの駅にはカリヨニアの友人と
ポーランド人の彼女が出迎えてくれて、
そのままプラハ観光となった。

プラハは10世紀の街。
パリは15世紀の街だけど、

なぜヨーロッパの侵略戦争の歴史にあって、
プラハは日本の京都のように残されたのか。

ここの人たちは、外国から攻めてきても勝とうと思わなかった。
負けましたと降参したらしい。

だから無傷で、負けるが勝ちの21世紀的な政策なのだ。

ただそれゆえ、いろんな時代の建築が混在していて、
不協和音というか、パーツは素晴らしい味のあるディテールで、
ロケに多く使われるのも頷けるけれど、

全体の街並みとなると、いまいち絵にならない印象を受けた。
イタリアとかの方が、時代が纏まっていて美しいかもしれない。

i.JPGでも、夜になると、
ランタンの灯りですごく美しかった。

プラハと言えばモーツァルト。
オペラ「フィガロの結婚」
「プラハ」という題名の交響曲も書いている。

オペラ「ドン・ジョバンニ」や
有名なクラリネット協奏曲も初演はプラハだった。

ほとんど毎日、どこかの教会で、音楽コンサートが開かれていて、
教会での響きを楽しんできたのでした。

外はマイナス8度のプラハで、友人と朝まで飲み明かしてしまった。
なんと言ってもチェコのピルゼンで作られたビールが、
ピルスナーの起源で、バドワイザーもチェコ発祥だ。

ビールの起源はエジプトだけど、僕の大好きな白濁のドイツビールの
バイツェンの発祥は、ベルギーだ。

世界遺産の街、プラハ。

DSCN2986.JPGプラハではポーランド人の彼女(ピアニスト)
のポーランド家庭料理を頂いて、

音楽の話、
特に僕の一番好きなショパンの曲で
共感を育んだ。

今回のベルリン・プラハの旅で
東ヨーロッパの哀愁が今でも残っている。

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2009年01月02日

ベルリン巡礼2

.JPG今回のベルリンは、
ユダヤ人の歴史に触れた旅にもなった。

第2次世界大戦の
ナチスドイツを背景にした映画
「ライフイズビューティフル」

「戦場のピアニスト」
「シンドラーのリスト」など
悲惨な時代背景を思い描くんだけど、

ベルリンの壁を見学して、
貴重な写真が展示してあった。

_E^.JPG友人のアナはユダヤ人で、
お父さんは画家だったんだけど、

ある日突然ナチスがやってきて、
画家をやめさせられて、

オランダのアムステルダムで名前を変えて、
隠れて生活していたそうだ。
まさにアンネ・フランクと同じ。

教会から聞こえるカリヨンの音が唯一の心の慰め。
当時は鐘も武器に変えられ、
戦争が終わり、また武器を鐘に再生して・・・、

だからあのカリヨンの音は平和の象徴なのだ。

そんなお父さんの残された絵を見せてもらったけど、
どことなく悲しげだった。

_.JPGユダヤ博物館もすごく印象深かった。
ポーランド生まれの建築家
ダニエル・リベスキンドの設計だ。

外観はシルバーメタルの
冷たい印象の素材でジグザグ形を呈して、

亀裂が入った、刃物で引き裂かれたかのような
開口部のデザインは、迫害を受けた表現だろうか。

内部は迷路のようで、何気に入っていくと、
出口が見えなくなり、自由を奪われる空間だ。

ガス室を表現した、3分程度わずかなトップライトのある暗い部屋に
閉じ込められるという趣向の部屋あり。

骸骨を表現した鉄の顔のオブジェが敷き詰めてあり、
その上を歩くという部屋もあり。

ちょっとここは居たたまれなくなって、すぐ離れた。

この博物館には玄関がなくて、
隣のベルリン博物館からの地下通路が入口で、

入場する前に、空港のようにセキュリティーチェックを受けて、
荷物をすべて預けるという入場方法だったけれど、

確かにこの内部空間では、
何かあったら大パニックに陥るであろう、
日本の消防法ではまず不可能な建築なのだ。

こんな内部空間を構想し、図面化するには、
大変な建築家としての技量を必要とする。

展示してある写真は、上流家庭を思わせる気品のある人物や
芸術家ばかりで、手紙も大変きれいな筆跡のものばかり。

悲惨な写真はひとつもない。

この内部空間から、ユダヤ民族はいかに優秀であるか、
ゆえに迫害されたんだというメッセージを感じた。

.JPGこの日の晩は、アナとアンドレアが
手料理をふるまってくれてのディナー。

レオンはずっとコウジのためにと
ギターを弾いてくれた。

それでディナーのあと、
お父さんの天使の絵を飾ってお茶会をした。

3.JPG心をこめてお茶を点てて、
絵の前に、アナのお父さんに
一服差し上げた。

ユダヤの方との初めてのお茶会だった。



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2008年12月31日

ベルリン巡礼1

DSCN3043.JPGベルリンとプラハの旅から帰ってきた。

実は料理の趣味もあって、
手作りのタレを作るのが好きなんだけど、

料理家の辰巳芳子さんの「あなたのために」という料理本の表紙が、
ベルリンにあるバウハウス博物館にある抽象画で、

彼女は「料理は図式化できる、
特にスープはすでに図式化した」とおっしゃった。

今回彼女が見たそのルートヴィッヒ・ヒルシュフェルトマックの
抽象画を実際見て、まさに料理そのものだと感動した。

両サイドの黄色、出汁が料理の決め手というイメージが
この絵から飛び込んできた。

僕が尊敬する建築家I・M・ペイは「バウハウス」を
創設したベルリン生まれの建築家グロピウスに学んでいる。

辰巳芳子さん、I・M・ペイ、ルーツはベルリンにあるような気がして、
そんなバウハウスをいつか訪れたいという夢が一つ叶った瞬間だった。

DSCN2549.JPGペイのベルリンにある
ドイツ歴史博物館展示ホールも、
当然見たい建築リストの一つだ。

パリのルーブル・ガラスのピラミッドと同様、
ガラス越しに17世紀の建築、
旧武器庫(ドイツ歴史博物館)を見るという

近代と中世の対比、

内部も円を代表する幾何学に光をどうからませるか、
広がりをどう表現するか、

北京の中国銀行本店にも見られた手法で、
まさにペイの建築を満喫できた。

DSCN2784.JPGミース・ファン・デル・ローエの
最晩年の作品、新ナショナルギャラリー。

巨大な鉄とガラスの
シンプルなデザインの1Fは、


ミース独自のユニヴァース・スペースの考えで、
地下が展示室になっていて、
想像を遥かに超えた広さを備えていた。

なんと幸運にも、僕の一番好きな画家パウル・クレーの
特別展が開催されていたのでした。

DSCN3044_r1.JPG膨大な数の作品が並んでいた。

地下のドアの表現が、尊敬する建築家
ミノル・ヤマサキの納まりと同じ手法を発見した。

ベルリンでは、約半額の値段に思わず
ル・クルーゼのオレンジ色の鍋を衝動買いした。

旅の荷物としては鉄の塊で重かったけれど、
5時間冷めない、煮崩れしない最高の鍋で、
旅の想い出と共に料理を楽しもうと思う。

司建築工房

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 大地の樹木 本物の素材 火のある生活
posted by Koji at 16:03| Comment(0) | TrackBack(0) |