2010年05月24日

不審庵見学

先日、念願だった表千家家元の茶室「不審庵」
の見学をさせて頂いた。

「不審にして花開く今日の春」という大徳寺の古溪和尚の詩の
最初の二文字「不審」を取って名付けられている。

自然は一切のはかりごとなく、無為自然に運行されている
という自然を尊重した精神がお茶には流れている。

P5221678.JPG表千家家元の門をくぐると
瓦葺きの土塀の上に

高木の緑が垣根のように整い
まだ中の様子は見えない。


P5221682.JPGいよいよ露地口に足を踏み込むと
一面苔むした幽玄な世界が広がって、
中潜(なかくぐり)が目に飛び込む。

柿葺きの外腰掛から
しばし庭の静寂に浸って、

中潜の右側にある半蔀(はじとみ)から
石の橋を渡り、きょろきょろしながら飛石を歩く。

利休の聚楽屋敷の九間書院を移築し、
少庵が改造した残月亭。(明治の再建)

その前の露地に佇むと外界から隔離されて、
別世界に自分がいることを実感する。

祖堂では利休像が祀られてあって、
お参りをさせて頂いた。

困窮を極めた宗旦が、利休の悟りと向かい合うために
祖堂に寄り添うようにして作った一畳台目の茶室だ。

祖堂の一角には二畳の茶室があって
くぐって座らせて頂いた。

三人で座ってみたんだけど、
意外と窮屈さは感じず、かえって天井が高く感じられて
貴重な体感ができた。

侘び茶の完成形と言われる利休作の茶室、待庵も
点前座と客座が一畳ずつしかない空間だ。

二畳の水と火と土の極小空間に黒楽。
一人の人間がこの大地で営む住まいの原型に
利休の思想が現れている。

不審庵は三畳台目で、点前座に座ったり
空間を身体で体感できたことは宝となった。

天井の突き上げ窓からの明りで茶室の内部は
予想以上に明るかった。

帰りに梅見門を潜り、内露地に入れさせてもらい
不審庵のにじり口へ至る飛石を歩かせて頂いた。

そして中潜を潜って別世界ともお別れ。

伊藤先生のお口添えがあったればこそ、
この日の幸せを頂けたのでした。


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2010年01月31日

千隆会初釜2010

今日はご縁あって、千隆会の初釜に参加させて頂いた。

何と言っても、森宗匠がお濃茶のお点前をされるということで、
男点前を見る機会に貪欲な僕は、願ってもないチャンス。

僕と同時に30分前に着かれたご年配の男性の先生
(お名前を伺うのを忘れてました)が
僕にお声をかけて下さった。

お濃茶席でお隣が男性同志の場合、
お茶碗を手渡しするということを師匠から聞いていた僕は、

P1300726.JPGそのことを伺うと
「よし、やろうか。私の隣に座りなさい」
と仰って下さった。

お会記に目を通して、
手あぶりを囲う寄付に通されて、

お床には即中斎自筆の短冊「晴光」のお掛物と
千家十職の永楽家、妙全造の松竹梅鶴亀絵の振出福小槌。

いよいよお濃茶席の桃丘亭へ。

P1300694.JPGお床は初釜らしい飾り付けで、
瑞巌老師筆の「風光日々新」のお掛物と盆石飾り、
尺八寸の根付の青竹の花入には結び柳に紅白椿。

お茶杓は妙喜庵の竹茶杓 銘「瑞雲」で、
筒・箱共同じ瑞巌老師のものだった。

さて、ご年配の先生がお正客となり、
僕は先生について次客の席に着かせて頂いて、
森宗匠のお点前を拝見するには絶好のポジション。

P1300733.JPG先生のお身内御一行様と社中のお弟子様には
寛大なお心を頂いて、大変お世話になりました。

お菓子は表千家の初釜の定番「常盤饅頭」。

障子から入る自然光だけのお茶室の空気は
何とも言えない至福の時間だ。

P1300698.JPG
障子一枚で外の鳥の声が直に聞こえて、
金閣寺の古材の炉縁、
かすかにお湯が煮える音・・・。

森宗匠のお点前に全神経を集中して、
新しい発見を胸に刻む。

ついに先生とお約束のお茶碗の手渡しを経験して、
さてここからの作法は?と一瞬よぎった時、

森宗匠から「そのまま頂きはったら結構です」と
お言葉をかけて下さったのでした。

そのまま森宗匠からの直々の出袱紗でお茶を頂いた。

袱紗は寅の絵柄で、寅は体内に薬を宿し自然治癒力が高いそうで、
「その袱紗で頂いたら、病気知らずで通ります」
という温かいお言葉。

P1300715.JPG今日のお茶会のお客の中で後の組にも、
男性は先生と僕だけだったから、
運が良かった。

お薄席の広間では女性の方からお点前を頂戴し、
乾山写しの竹に虎の絵茶碗で頂いた。

6歳のお嬢ちゃんが赤いお着物を着て、
お運びのお手伝いをしていて
和やかな雰囲気だった。

P1300709.JPG師匠のお宅へ伺って、
森宗匠の感動のお点前をご報告。

お濃茶のお点前をさせて頂き、
良き復習となりました。


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2009年12月05日

炭点前

寒い日にはお茶室でちょっと熱めの
美味しいお茶を頂くとほっとするものだ。

お茶のお点前ができたとしても
物理的にお茶がぬるくては台無しだ。

ちょうど良い具合にお湯が沸くように
炭を整えるという修練が必要になる。

100_0331.JPGそんな炭点前をさせて頂いた。

ちゃんと火がうまく熾るように
科学的にも理に適う、
昔の茶人の知恵を垣間見る。

まず濡れ灰を撒いて、
これは清めの意味や景色ということもあるんだけど、

熱くて乾いた灰の上に冷たい湿った灰を撒くと
温度差で上昇気流が発生して空気が動いて
火が熾りやすくなるのだ。

その後で胴炭、丸毬打(まるぎっちょう)、割毬打
管炭、枝炭とついでいって、最後に添炭。

この配置も絶妙で、ちゃんと空気が
中の火種に流れ込むようになっている。

そして羽箒で炉縁・炉壇を掃いて、
香合に入れた練香を二つ炉中にたく。

茶の先達たちの炭点前に思いを馳せた時間でした。

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2009年11月29日

正宗寺の紅葉茶会2

DSCN1066_r1.JPGたまたまお茶をやってる友人と海外旅行をして、
海外に住む友人宅でお茶会を開いた。

外国の方のお点前を見つめる真剣なまなざし。
終わってから、精神性が素晴らしいと絶賛。

そんな経験が何度か。
・・・日本文化も捨てたもんじゃない。

海外の文化を吸収しようとしていた僕が
海外だからこそ、
日本文化の素晴らしさに気づけたのかもしれない。

始めてみたら、予想以上にハマった。

100_0251.JPG昨年の紅葉茶会から一年。
毎年、竹下先生が吟味された
格調高いお道具で、

お茶席は季節感に溢れて、
いいひと時を味わった。

お茶杓のご銘は「時雨」。

100_0247.JPG初めて見る綺麗な黄色い鹿の棗(なつめ)。
鹿は小男鹿(さおしか)と言って

秋になると牡が牝を求めることから
秋の季語なのだそうだ。

秋の色目の烏帽子形の蓋の珍しいお水差。


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2009年06月14日

青葉祭り花展

DSCN4773.JPG今日は毎年恒例、
伊藤先生の向弘苑での真生流花展の
お手伝いに行かせて頂いた。

そこで、お菓子とお抹茶を
お出しするのだけれど、

DSCN4775.JPG朝、お菓子に添えるもみじの葉っぱを
現地で調達して、水に漬けて、
お湯は80度。

お茶碗、黒文字、お皿を
水屋でセッティングする。

お抹茶は先生自ら濾して、準備してくださった。

今回のお菓子は近江八幡のたねやの蓮子(はすこ)もちだ。
きな粉で召し上がる夏らしいお菓子。

DSCN4781_r1.JPG伊藤先生のお孫さんのなほちゃんも
大人のお姉さんに混ざってよく手伝っていた。

家でも普段お母さんのお手伝いをしているらしく、
今度魚の煮付けを食べさせてくれるそうだ。

お着物でお客様に品のある応対をされる
先生の振る舞いを拝見するのはいい勉強になる。

有難うございました。

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2008年12月15日

楽さんの特別鑑賞茶会

昨日は僕のお茶の師匠と割烹料亭の女将さんと京都へ。

祇園白川、野村美術館、円通寺、・・・

そしてこの日のメインイベントは
楽美術館のお茶室にて、
当代15代楽吉左衛門さんのお茶会だ。

楽陶の名手長次郎をはじめ、歴代の名作に触れる貴重な、
また楽さんの人格に触れることのできる良きお茶会だ。

先日元首相の細川さんの黒楽茶碗にも
触れさせて頂いたけれど、

長次郎のあの何とも言えない、
味のあるテカリのない肌が好きなのだ。

この日のお道具は・・・
九代了入作の、舟の絵が彫られた赤楽火桶の水指。

十一代慶入作の緑釉金溜エフゴの建水。
十五代吉左衛門作の黒楽竹の蓋置。

お茶器は八代宗哲作の書付の佛拭の下張棗。

お茶碗は赤楽茶碗や十代旦入作の黒楽筒茶碗、
十一代慶入作の霞山焼茶碗、

十四代覚入作の黒楽筒茶碗、
十五代、惣吉時代の楽釉茶碗などなど。

お菓子器も十一代慶入作の四方長角食籠だった。

簾の影が障子に映る自然光だけの若干暗い空間での
お点前そのものにも深い感動がこみ上げて、

何より参加した一人一人に心を配られる
楽さんの朗らかな語りが、

打ち解けた、いい空気を作り出していたのが
印象深かった。

夜は割烹橙で久しぶりに贅沢な舌鼓を打った。
楽しい有意義な一日でした。


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2008年12月05日

正宗寺の紅葉茶会

山門をくぐったら・・・
山に抱かれた静寂の別世界。

お隣の着物の女性に「お先に」と挨拶を交わして、
お茶碗を左手に受けて扱う日本の作法はいいなーと

しみじみ・・・「お点前を頂戴いたします。」

日本人でよかった・・・。

DSCN2227.JPG蔦(つた)の棗(なつめ)、
栗の香合(こうごう)・・・。

花の少ない時期に寄せ花で、
私たちを迎えて下さった。

茎の細い可憐なりんどう・・・。

せっかちな時代だからこそ、ゆったりとしたお茶の時間は、
貴重な時間なのだ。

橙色の君〜またどこかのお茶会で・・・。

司建築工房

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